スイスのスポーツ研究国際機関(CIES)は2013年〜2018年と直近5年間における1試合あたりの平均観客数のランキングを公表している。今回はその中でも1~10位のクラブとホームスタジアムを紹介する。
10位-アトランタ・ユナイテッド(51547人)
・ホームスタジアム:メルセデス・ベンツ・スタジアム
・所属リーグ:MLS(アメリカ・メジャーリーグサッカー)
・開業年:2017年
・収容人数:71000人
・直近5年間での獲得タイトル:MLSカップ(2018年)
ナショナル・フットボールリーグ(NFL)のアトランタ・ファルコンズと共同でメルセデス・ベンツ・スタジアムを使用しているアトランタ・ユナイテッドはファルコンズのオーナーによってMLS参入の計画が進められ、2017年から本格的に始動している。また昨年は参入からわずか2年でMLSカップ制覇を果たしており、今後も躍進が期待される(こちらは直近の2年間での平均観客数が考慮され、ベスト10入りを果たしている)。
9位-VfBシュツットガルト(52012人)
・ホームスタジアム:メルセデス・ベンツ・アレーナ
・所属リーグ:ブンデスリーガ
・開業年:1933年
・収容人数:60469人
・直近5年間での獲得タイトル:2.ブンデスリーガ(2016/17)
2008年にシュトゥットガルトに本社を置く自動車メーカーダイムラーのブランドであるメルセデス・ベンツの名が冠せられた。元々陸上トラック付きのスタジアムであったが、2009年夏にスタートした改築工事により、陸上トラックを廃止。同時に41,000人から60,000人へと収容人数も大幅に増え2011年にリニューアルされた。
8位-ハンブルガーSV(52349人)
・ホームスタジアム:フォルクスパルクシュタディオン
・所属リーグ:2.ブンデスリーガ
・開業年:2000年
・収容人数:57030人
・直近5年間での獲得タイトル:なし
ハンブルガーSVは昨季までドイツ国内クラブの中でも唯一ブンデスリーガからの降格が一度もないクラブとして有名だった。過去にはAOLアレナ、イムテック・アレーナなどネーミングライツを導入していた時期もあったが、2015年以降は再び導入前の名称に戻っている。今季は2.ブンデスリーガを舞台に戦っているが、国内の多くのフットボールファンが1部復帰を心待ちにしていることだろう。
7位-アーセナル(59793人)
・ホームスタジアム:エミレーツ・スタジアム
・所属リーグ:プレミアリーグ
・開業年:2006年
・収容人数:60260人
・直近5年間での獲得タイトル:FAカップ(2013/14,2014/15,2016/17)
アーセナルがプレミアリーグで無敗優勝を成し遂げた2003/04当時はロンドン・ハイベリーに構えていたアーセナル・スタジアムを本拠地としていたものの、収容人数が38500人と少なかったこともあり、2006年に新スタジアムの供用開始となっている。リーグタイトルからはしばらく見放されているものの、19年連続でチャンピオンズリーグ(CL)出場を果たしていた。
6位-シャルケ(61328人)
・ホームスタジアム:フェルティンス・アレーナ
・所属リーグ:ブンデスリーガ
・開業年:2001年
・収容人数:62271人
・直近5年間での獲得タイトル:なし
このスタジアムがあるゲルゼンキルヘンが地元であるフェルティンスが2005年から命名権を保有している。最大の特徴はなんといっても屋根から吊り下がる四面式のビジョンとスタジアムの地下には巨大なビールタンクがあること。なんとそのビールタンクからスタジアム全体にパイプラインが張り巡らされているため、観客はスタジアム内のどこでも新鮮なビールを堪能することができる。
5位-レアル・マドリード(69822人)
・ホームスタジアム:エスタディオ・サンティアゴ・ベルナベウ
・所属リーグ:ラ・リーガ
・開業年:1947年
・収容人数:81044人
・直近5年間での獲得タイトル:ラ・リーガ(2016/17)、チャンピオンズリーグ(2013/14,2015/16,2016/17,2017/18)、コパ・デル・レイ(2013/14)
エスタディオ・サンティアゴ・ベルナベウは建設当初、27645人分のシートに加えて47500人が立ち見可能なスタジアムであった。その後1953年の拡張工事により一時は120000人を収容していたが、UEFA主催大会での立見席禁止などの規定により、収容人数が減少した。現在改修プロジェクトが進行している。
4位-バイエルン・ミュンヘン(73781人)
・ホームスタジアム:アリアンツ・アレーナ
・所属リーグ:ブンデスリーガ
・開業年:2005年
・収容人数:75000人
・直近5年間での獲得タイトル:ブンデスリーガ(2013/14,2014/15,2015/16,2016/17,2017/18)、DFBポカール(2013/14,2015/16)
ドイツ最大の保険会社であるアリアンツが命名権を保有している。外は特殊な半透明フィルムで覆われており、赤色・青色・白色といった色に自由に染めることができる。また、スタジアムは音響効果を考えて設計されており、より応援の声が響くようになっている。
3位-バルセロナ(74876人)
・ホームスタジアム:カンプ・ノウ
・所属リーグ:ラ・リーガ
・開業年:1957年
・収容人数:99786人
・直近5年間での獲得タイトル:ラ・リーガ(2014/15,2015/16,2017/18)、チャンピオンズリーグ(2014/15)、コパ・デル・レイ(2014/15,2015/16,2016/17,2017/18)
カンプ・ノウはスタンドの景観はもとよりピッチの水捌けまで計算されている歴史あるスタジアムだ。ピッチは肉眼では分からない位アンジュレーションが付いていてほんのわずかだけ真ん中が高く、外に行くにつれてだんだん低くなる設計がされており水が流れ出るようになっている。ただ老朽化に伴い、現在ノウ・カンプ・ノウが新たに作られており、収容人数は105000人に増えるものとみられる。
2位-マンチェスター・ユナイテッド(75218人)
・ホームスタジアム:オールド・トラッフォード
・所属リーグ:プレミアリーグ
・開業年:1910年
・収容人数:76212人
・直近5年間での獲得タイトル:FAカップ(2015/16)、英リーグ杯(2016/17)、ヨーロッパリーグ(2016/17)
イギリスのスタジアムの中でウェンブリー・スタジアム、ミレニアム・スタジアム、ハムデン・パークと並びUEFAスタジアムカテゴリー4に指定されている世界有数のスタジアムの一つである。収容人数は2006年12月現在で76212人であるが、今なお段階的に拡張工事が進行中で、将来的には96000人収容の拡張工事を計画しているようだ。
1位-ボルシア・ドルトムント(80230人)
・ホームスタジアム:ジグナル・イドゥナ・パルク
・所属リーグ:ブンデスリーガ
・開業年:1974年
・収容人数:80720人
・直近5年間での獲得タイトル:DFBポカール(2016/17)
ドイツの大手生命保険会社であるジグナル・イドゥナが2005年から命名権を保有しているが、このスタジアムの名物はなんといってもホーム側ゴール裏スタンドである。全て立ち見席であり、このスタンドだけで22,000人を収容できる。俗に「黄色い壁」と呼ばれている。
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