YBCルヴァンカップ・グループステージ第5節・北海道コンサドーレ札幌対横浜F・マリノスが8日夜に札幌市内の厚別陸上競技場で行われ、横浜F・マリノスが4-0で勝利を収めた。
気温が10度前後と肌寒い中で行われた一戦は、序盤はマリノスがポゼッションを図ると16分、マリノスは左サイドのクロスのセカンドボールをDF松原健がダイレクトボレーで合わせると、これが相手DFに当たってコースが変わりゴールマウス左隅を揺らす。
その後もマリノスがコンサドーレにカウンター攻撃を許すことなくペースを握ると対照的にコンサドーレは攻撃の起点を作ることができず、自陣からのロングフィードを奪われるシーンが目立つ。
しかし39分、ロングカウンターから右サイドを駆け上がって来たMF中野嘉大に展開しバイタルエリアに切り込むと、パスを受けたMF檀崎竜孔がダイレクトでシュートを放つと、これをGK飯倉大樹が片手でゴールマウスから弾き出し、惜しくも同点とはならない。
マリノスが1点をリードして折り返した後半、コンサドーレが同点を目指す中で迎えた59分、マリノスは左サイドから細かくパスを繋いで崩すと、最後はFW李忠成がやや角度のない位置から鋭いグラウンダーのシュートを放つと、これがゴールマウス右隅を揺らし追加点を奪う。
リードを2点に広げられたコンサドーレはすかさずタイ代表MFチャナティップ・ソングラシンとMFルーカス・フェルナンデスを投入し反撃の機会をうかがう。
しかしマリノスは67分にFWイッペイ・シノヅカが3点目となるゴールを奪うと、77分には相手の自陣でFW山谷侑士がパスカットからそのまま豪快なシュートを放ちネットを揺らした。
その後、コンサドーレは決定機を作るものの最後まで得点を奪うことができずそのまま試合終了。この結果、コンサドーレは今節でのグループステージ突破が持ち越しとなり、一方のマリノスは勝ち点8まで伸ばしコンサドーレに勝ち点で並んでいる。
1、横浜F・マリノス:アンジェ・ポステコグルー監督
(記者会見場において)
・試合総括
「全体的に良い試合ができた。特に前半から自分たちがコントロールしてそこで良いゴールも生まれた。後半はもちろん札幌もゴールを奪いに行かなければならない中、自分たちも落ち着きながらプレーすることができたと思うし、その中でゴールも生まれた。もっと決めることのできるチャンスがあった中で良い結果で終えることができて良かった」
-北海道コンサドーレ札幌とは今季3度目の対戦となったが、前回対戦を踏まえた上での対策や修正点は
「特に変えたところはない。前回対戦では入りが良くなかった。もちろんミスが多くなったら、札幌はそこを突いてくるし、そのような部分で強みを持っているチームだと思う。自分たちがやらなければならないところが出なかった結果だった」
「今日は自分たちがボールを先に持ったときには優先的に落ち着いてプレーしていたし、前から(プレスに)行くこともできた。前回の反省を踏まえた上でプレーすることができたと思っている」
2、北海道コンサドーレ札幌:ミハイロ・ペトロヴィッチ監督
(記者会見場において)
・試合総括
「前半は相手にボールを持たせた状況からカウンターを狙っていたが、比較的早い時間帯で相手のシュートがディフェンダーに当たり、コースが変わるという不運な形で先に失点してしまった」
「後半入って我々は攻めなければならない状況の中で、より相手にプレッシャーをかけてボールを奪うという形を狙っていた。もちろんマリノスのような人とボールがよく動き、非常にビルドアップが上手なチームに対して、前からプレッシャーをかけるのは、奪えばチャンスになるが、外されるとピンチになるというリスクを伴ったものであった。ただ負けている状況の中で自分たちの戦い方を変えなければならなかった」
「もちろんそのような形で外されたら、さらに失点を重ねかねない試合展開になるということは予想していたが、逆にそこではめることができたら自分たちが同点、そして逆転まで狙える戦いでもあった」
「今後のチームの戦い方の中でそのようなやり方を選択をしなければならない場面は出てくる。私は今日、0-4で敗れたとはいえ、試合内容を見れば十分このような形でも戦うことができると手応えを得ているし、ポジティブな部分だと捉えている」
「結果だけを見れば0-4と大敗であるが、失点の形を見ると、1失点目はディフレクションからのものであり、その後の2失点は自分たちが自陣で不用意に失ったところからものである。後半の我々の戦い方はそれほど内容を悲観するようなものではなかったと思っている」
「むしろ私自身はボールを奪った後のゴール前でのクオリティが上がれば得点することはできていた場面はあったと思う。今日の試合における問題点は、相手のゴール前におけるラストパスやシュートなど、攻撃面でのクオリティが低かったことだと捉えている」
「ルーカスやチャナティップが途中に入ってから攻撃のクオリティは上がったし、相手に脅威を与える攻撃ができていた。それに加えて後半、福森はアグレッシブに戦えると思ったし、彼以外にも何人かそのような相手と戦う姿を見せてくれた。敗れはしたものの、今後を見据えた上でポジティブなものが見えた試合だった」
「最終節で我々はまだ十分にグループステージを突破することができる可能性を残している。最終節もチーム全体として戦っていきたい」
3、北海道コンサドーレ札幌:岩崎悠人
<写真はU20日本代表時>
(ミックスゾーンにおいて)
‐自分が思っていた以上に守備に追われたという感覚はあったか
「相手がボールを持つ時間が多く、前半は自分たちがボールを奪ってもすぐに奪い返されるシーンが多かったと思う。攻撃もなかなか繋ぐことができない状況の中、守備も嵌らなかった。苦しい試合展開だった」
-個人的な出来は
「60分で交代して非常に悔しい。やっぱりチームとしてやるべきことをやった中で自分の持ち味を出すのかということが必要になってくる。もっと自信を持ってプレーすることができたら良かった」
-自分の良さを出すよりかはチームのやり方に合わせている感覚か
「ポジショニングや(ボールを)受けるタイミング、シャドウでの動きは僕の中で課題である。それがゆえに試合の中でその課題ばかり意識して、(ボールを)受けた後など自分自身のプレーは出せていないと思っている」
-何が課題であるというよりも自分のプレーをするというところからか
「やっとチームのやり方に慣れてきて、そこでやるべきことだけでなく自分の良さを出していくことが必要だと思う」
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