3-1とマンチェスター・ユナイテッドがアウェイでパリ・サンジェルマンを下したチャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦2ndレグ。アグリゲートスコア(1stレグと2ndレグの合計スコア)でも、アウェイゴールの差でパリ・サンジェルマンを上回り、次のラウンドへの切符を手にした。今回は、ユナイテッドが1stレグを2-0で落としながらも、決勝トーナメント2回戦進出を決めた5つの要因をご紹介する。
早い時間での先制点
右からティロ・ケーラー、チアゴ・シウバ、プレスネル・キンペンベの3バックでビルドアップを行ったPSG。試合を通して、ボランチにボールを入れさせないようなディフェンス敷いたユナイテッドだが、開始直後は前から積極的なディフェンスを仕掛け、それが功を奏した。ケーラーのミスといってしまえばそれまでかもしれないが、パスコースに制限をかけてサイドに誘導し、WB、CBにしっかりと付ききったユナイテッドのディフェンスは素晴らしかった。しっかりと踏ん張ってネットを揺らしたロメル・ルカクも称賛するべきだろう。
サイド誘導からの大外ケア
PSGのボランチ2枚にボールを入れさせないようなディフェンスを見せたユナイテッド。これにより、WBがボールを引き出す必要があり、高い位置を取られないようなディフェンスをすることができた。ただ、PSGもマルコ・ベラッティや前線の選手がうまくボールを引き出し、WBが徐々に高い位置を取れるように。そこからチャンスを作られ、失点にも繋がったユナイテッドだが、その後は4-4-2の守備ブロックを深い位置では右の大外に1枚配置し、5-3-2の形に変更。フアン・ベルナトに必要以上にフリーにさせなかった。
バイリーとダロトの交代
バイリーがおそらく負傷により交代し、ディオゴ・ダロトと投入したユナイテッド。これにより2列目を担っていたアシュリー・ヤングが1列下がり、ダロトが2列目に入った。この交代がユナイテッドに勇気ある決断を下すきっかけを与えた。それがダロトをヤングの外側に配置する守備ブロック形成。サイドは気になるものの、中央で今までよりもスペースを与えたくないため、なかなか決断の難しい采配だ。ただ、ダロトの良いとは言えない守備時のポジショニングがそれを後押しした。完全に人につかせることで、チームとしてもダロト個人としてもプラスに働く決断を選択できた。攻撃時にもフアン・ベルナトの守備の負担を増やすことに、この交代が繋がっている。
PSGのシステム変更時にかろうじて対処
WBを張り出させて、中央に前線の3枚を密集させるポジショニングから、3-1-4-2のような形への変更や、キリアン・ムバッペを右サイドに張り出させるなど、試合の中で攻撃のやり方を少しづつ変更させたPSG。ユナイテッドはその変更が行われるたびにピンチを作った。しかし、オフサイドやPSGの選手たちが決め切れないことで、何とか失点を1にとどめることができた。ユナイテッドDF陣の最後の粘り、徐々に適応したという部分も影響しているだろう。
フレッジ、ペレイラのパフォーマンス向上
1stレグではポジショニングやタイミングに難を抱え、フィルターとしての機能を果たすことができなかったフレッジとアンドレアス・ペレイラ。ただ、2ndレグではしっかりと修正した。中盤で必要以上にスペースを与えず、ムバッペなどと対峙した時も、適切な距離で選手と対峙できているため、しっかりと対応することができた。ケガ人が続出する中で、チャンスを与えられた選手たちがそのチャンスに向けた準備をしっかりと行った結果だろう。
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