10年ぶりにJ1クラブとJ2クラブによる入れ替え戦が復活した今季のJ1参入プレーオフは東京ヴェルディの躍進がひとつ大きな話題となっていた。決定戦でジュビロ磐田に地力の差を見せつけられたとはいえ、彼らの躍進には多くのJリーグファンが視線を送っていたことだろう。そこで今回はJ1参入プレーオフの試合を振り返る。
J2リーグ順位表
1位:松本山雅(77)
2位:大分トリニータ(76)
3位:横浜FC(76)
4位:町田ゼルビア(76)
5位:大宮アルディージャ(71)
6位:東京ヴェルディ(71)
7位:アビスパ福岡(70)
J1参入プレーオフ1回戦:大宮アルディージャ対東京ヴェルディ
J1参入プレーオフ2回戦:横浜FC対東京ヴェルディ
J1参入プレーオフ決定戦:ジュビロ磐田対東京ヴェルディ
J1参入プレーオフ1回戦
大宮アルディージャ 0-1 東京ヴェルディ
得点者:平智広(東京ヴェルディ 71分)
同じ首都圏内のアウェイ戦からスタートした東京ヴェルディは前半を0-0で折り返すも、後半途中にMF内田達也がややアフター気味にタックルを仕掛けたことにより、少々不運な形で2枚目のイエローカードを提示され退場に。数的不利に陥ったヴェルディだったが、71分に左サイドでFKを獲得すると、FW佐藤優平がペナルティエリア内に送ったクロスはDF平智広の頭をかすめ、そのままゴールネットを揺らした。ヴェルディは大宮アルディージャの猛攻に遭ったものの、最後までリードを守り切り1-0で勝利。一方敗れた大宮アルディージャの石井正忠監督は翌週に今季限りでの監督退任が決定している。
J1参入プレーオフ2回戦
横浜FC 0-1 東京ヴェルディ
得点者:ドウグラス・ヴィエイラ(東京ヴェルディ 90+6分)
大宮アルディージャを撃破した東京ヴェルディはまたもや首都圏内のアウェイ戦に臨むこととなった。横浜FCが点取り屋のFWレアンドロ・ドミンゲスを負傷離脱で欠いていたことや東京ヴェルディのGK上福元直人が好セーブを連発したこともあり、90分通じて拮抗した試合展開となった。そのまま0-0で終了し、横浜FCが決定戦進出かと思われた後半アディショナルの90+6分、ヴェルディはCKを獲得。このCKに上福元が頭で合わせるとこぼれ球を途中出場のFWドウグラス・ヴィエイラが押し込み、劇的勝利を飾った。
一方、このJ1参入プレーオフ2回戦の前日に行われたJ1リーグ・最終節ではジュビロ磐田が後半アディショナルタイムに川崎フロンターレにオウンゴールを献上し1-2で黒星を喫すると、勝ち点「41」で5クラブが並ぶ中得失点差によりジュビロ磐田のJ1参入プレーオフ出場が決定している。
J1参入プレーオフ決定戦
ジュビロ磐田 2-0 東京ヴェルディ
得点者:小川航基(ジュビロ磐田 41分 PK)、田口泰士(ジュビロ磐田 80分)
ここ2戦の勝ち方で勢いに乗る東京ヴェルディをJ1残留への強い覚悟で迎え撃つジュビロ磐田による決定戦では対戦カード決定直後からチケットの転売が大問題となりクラブが注意喚起を呼び掛ける事態に発展。また両クラブサポーターが異様な盛り上がりを見せ、チケットを持っていないサポーター同士が当日スタジアム外での応援を呼びかけたことに対してもクラブが対応に迫られた。
独特の雰囲気の中迎えた大一番ではあったが、ジュビロがヴェルディの攻撃の組み立てを高い位置からのプレッシャーによって阻害する戦略がはまる。すると41分にヴェルディの最終ラインの裏に抜け出したFW小川がGK上福元に倒されPKを獲得すると、これを自ら落ち着いて沈め先制に成功。後半も主導権を握るジュビロは80分にもMF田口がFKから直接ネットを揺らし勝負を決め、2-0でジュビロがJ1残留を確定させた。
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