そして鹿島が素早く反撃。西大伍が64分に合計スコアをタイに戻す得点を決めた。このシーンで、水原の選手たちはコンパクトさを保ってプレーしていたにもかかわらず、エリア内で鹿島の5選手にマークについていたのは3選手のみだった。そして西がそのチャンスをものにした。
スコアがタイになったことで、延長戦突入も考えられたが、どちらのチームも90分で決めきろうと攻め続けた。昌子には緊張が見られ、おそらく彼のキャリアで最低の試合のひとつだっただろうが、冷静さを保って残り時間をプレーし続けた。
そして1stレグや準々決勝でもそうであったように、この試合でもセルジーニョがチームを救った。2アシストを記録していたブラジル人は、82分に決定的な仕事をやってのける。西からのスローインを鈴木優磨がポストプレーでボールを落とし、それを迷わず叩き込んだ。
この試合で輝いた西をはじめ、先制点を決めた山本脩斗など、鹿島には強力なサイドバックがいる。
2018年すべてのコンペティションにおける鹿島のサイドバックのスタッツ
西大伍:30試合出場7ゴール6アシスト
山本脩斗:28試合出場3ゴール1アシスト
内田篤人:21試合出場1ゴール3アシスト
安西幸輝:39試合出場2ゴール5アシスト
セルジーニョは準々決勝の時点で鹿島のヒーローになっていたが、同じことを準決勝でも成し遂げた。もしも鹿島が優勝すれば、大会MVPはセルジーニョで決まりだろう。
新テクニカルディレクターのジーコ氏が連れてきた男は、チームの攻撃に新たな次元をもたらした。ブラジルのアメリカ・ミネイロで務めていた10番の役割を任されていなくても、ゴールに近いポジションで、フォワードとして常に決定的な仕事をしている。
アジアのコンペティションで決勝に進出するまで、11回のチャレンジを費やした。鹿島はこの大会で、3シーズン連続(2009,2010,2011)で韓国勢を前に敗退したトラウマも払しょくした。
残すチャレンジはひとつのみだ。10万人収容のスタジアムを埋めつくす、アジアで最も熱狂的なサポーターを有し、過去2シーズン連続でイランリーグ王者に輝いているペルセポリスだ。
日本の王者として数々のトロフィーを獲得してきた鹿島は、クラブ初のアジア王者まであと一歩のところに迫っている。きっと「スピリット・オブ・ジーコ」が彼らに再び力をもたらすだろう。
著者:チアゴ・ボンテンポ
1985年生まれのブラジル人ジャーナリスト。サンパウロ在住。幼少期よりスポーツとりわけサッカーを愛する。大学時代にジャーナリズムを専攻し2011年よりブラジル『Globo Esporte』で日本サッカーを担当している。ブラジルのボタフォゴ、アーセナル、そして日本代表の熱烈なサポーターである。将来の夢は日本語を流暢に扱うこと、富士山登頂、Jリーグスタジアムを巡ること。
Twitter: @GunnerTNB
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