プレミアリーグ アーセナル

公式戦10連勝のアーセナル、今季改善した3つのポイント

昨季限りでアーセナル史上最も成功を収めた指揮官であるアーセン・ベンゲルがクラブを去り、ウナイ・エメリが新監督就任した。開幕2連敗を喫した時点では、ライバル・マンチェスター・ユナイテッドの「モイーズの悲劇」を思い起こさせたが、そこから公式戦10連勝とチームを再建。ウナイ・エメリは多くの識者から高評価を得ている。

そこで今回は『sportskeeda』が特集した「ベンゲル時代から改善したポジティブな3つのポイント」をご紹介したい。


1.後方からの組み立て

アーセン・ベンゲルは就任当初、サポーターの印象に強く残る攻撃的なスタイルでプレミアリーグを席巻。しかし、徐々に他のチームが台頭するようになり、晩年になると4-3-3を用いて堅実な試合を行うことが増えていった。

新監督のウナイ・エメリはパスゲームの本質を守り、後方からのビルドアップを重要視している。自陣深くでボールを保持することはリスクが高く、選手たちに要求するレベルは自ずと高くなる。それでも、アーセナルの選手たちは新監督の志向を忠実に熟そうと努力しており、その姿勢はピッチ上で明確に見て取れる。これはエメリがトレーニングを通して選手に自らの意思を伝えられている証左だろう。

GKのポジション争いは注目だ。ペトル・チェフは後方からのビルドアップ戦術に適した選手ではない。ただ、在籍年数の関係で守備陣との連携には一日の長がある。開幕からレギュラーポジションを掴んだのはチェフであった。

多くの識者からはベルント・レノの方が戦術に適していると評価されているが、まだ少しフィットするまでに時間がかかるだろう。チェフの欠場期間中にアピールしたいところだ。


2.守備的ミッドフィルダー

グラニト・ジャカはベンゲルが長年欲していたパトリック・ビエラの後釜に最適な存在となった。ベンゲルはミケル・アルテタをコンバート、アーロン・ラムジーを起用するなど、多くの選手を守備的ミッドフィルダーのポジションで試用した。しかし、ワールドクラスの守備的ミッドフィルダーは最後まで獲得出来なかった。

新体制となったアーセナルはいきなりルーカス・トレイラを獲得。何年も欠けていた守備的ミッドフィルダーの補強に成功した。トレイラの評判は日を追うごとに高まっている。19歳のマッテオ・グエンドウジも将来このポジションの中心となるポテンシャルの持ち主だ。

守備的ミッドフィルダーの補強はベンベル政権との一番の違いかもしれない。


3.ハイプレス

ジョゼップ・グアルディオラ、ユルゲン・クロップ、マウリシオ・ポチェッティーノはプレミアリーグでハイプレスを駆使して試合を支配してきた。ウナイ・エメリも同様に高い強度を保った守備を志向している。

スペイン(セビージャ)ではハードワークを求めてELを制覇。PSGでも前線からの守備を求めている(選手は指揮官の要求に応えなかったが)。

ベンゲル時代には高い最終ラインが常であったが、前線の選手は守備を怠る場面が多く見られた。しかし、今ではメスト・エジルやヘンリク・ムヒタリアンのような選手でさえ、積極的にボールを奪う姿勢を見せている。これはエメリがアーセナルにもたらした一つの変化だろう。

果たして前線からのプレスは強豪相手にも通用するのか。11月3日、ホームにリバプールを迎えて行う一戦で真価が問われる。

(sportskeeda)