5節を残した時点で、高額スター選手を獲得したクラブは全て残留争いに巻き込まれている。ヴィッセル神戸は一時4位に位置していたものの、6試合連続勝ち星なしで11位まで順位を下げた。
今シーズン序盤から苦戦していたサガン鳥栖は現在17位。もしも降格すれば佐賀県のクラブにとって大打撃となるだろう。メインスポンサーを失った今、J1再昇格への道は厳しくなる。
9節から21節まで最下位に沈んでいた名古屋グランパスは7連勝で順位を回復したものの、ここ最近は勝ち星をつかめずにいる。16位に再び順位を落とし、プレーオフに回る可能性もありそうだ。
これらの3つのクラブは、すべてメディアへの露出増加やスタジアムの集客効果などの恩恵を受けている。リーグにとってもいいことで、このような試みを続けるべきだ。しかし、そのスター選手をチームの一員として機能させ、チームを組織する必要がある。
もしもプランがないのであればスター選手を獲得するべきではない。サンフレッチェ広島や北海道コンサドーレ札幌、ベガルタ仙台などは、ビッグネームの獲得なく降格候補としてシーズンをスタートさせたが、彼らは今上半分の順位にいる。彼らには明確なスタイルがあり、コレクティブに闘って前評判を覆した。
リーグ位置の選手層を誇る鹿島アントラーズは、酷い前半戦を過ごさなければ優勝争いに加わっていただろう。それでもなお、出場したすべてのコンペティションで勝ち残っており、リーグ戦では3位以内でフィニッシュする可能性も高い。
選手層の面で鹿島に負けていない川崎フロンターレはタイトルレースで一歩リードしている。見習うべき手本はあるのだ。今日、Jリーグのクラブには以前よりも多くの資金が流れ込んできているが、クラブはその使い方を学ばなければならない。
著者:チアゴ・ボンテンポ
1985年生まれのブラジル人ジャーナリスト。サンパウロ在住。幼少期よりスポーツとりわけサッカーを愛する。大学時代にジャーナリズムを専攻し2011年よりブラジル『Globo Esporte』で日本サッカーを担当している。ブラジルのボタフォゴ、アーセナル、そして日本代表の熱烈なサポーターである。将来の夢は日本語を流暢に扱うこと、富士山登頂、Jリーグスタジアムを巡ること。
Twitter: @GunnerTNB
コメントランキング