Jリーグ サガン鳥栖

金は成功をもたらさない。高額スター全員が残留争いに巻き込まれる

著者:チアゴ・ボンテンポ

 アンドレス・イニエスタと中村憲剛のどちらが優れている?どちらのベテランもチームにインスピレーションをもたらしている。もちろんスペイン人は世界最高の選手のひとりで、川崎フロンターレ史上最高の選手よりも格上の選手である。

 イニエスタはすでに彼の魔法でJリーグを彩ったが、2018年全体で観れば中村憲剛の方が優れており、フロンターレの連覇を目指すシーズンで決定的な仕事を成し遂げている。

 ルーカス・ポドルスキと小林悠のどちらが優れている?むろん、ドイツ人の方が優れたキャリアを過ごしている。日本人が国外でのプレー経験を持たず、代表チームでレギュラーになったことがない間に、ポドルスキはW杯で優勝した経験も持っている。

 しかしポルディは来日してから自分の実力を出し切れずにいる。一方の小林悠は、2017年に川崎に初のタイトルをもたらすと、その年のJリーグMVPに選ばれ、シーズンの主役となった。何度かPKを失敗したとはいえ、今年も重要なゴールを決めており、現在リーグの日本人得点王だ。

 フェルナンド・トーレスと興梠慎三のどちらが優れている?彼らのキャリアを比べるのはアンフェアだろう。しかし「エル・ニーニョ」はリーグ最下位の得点力という、サガン鳥栖の問題を解決できずにいる。12試合で1ゴールしか決められず、トーレスは先発の座を失い、残留争いの直接対決となった湘南ベルマーレ戦では、ビハインドを負った状態でも彼がピッチに立つことはなかった。

 小林悠と同じように、興梠は国外でプレーした経験を持たず、代表チームでレギュラーをつかんだ経験も持たないが、所属クラブでは毎シーズン二桁得点を期待できる存在だ。今年も例外ではなく、浦和レッズにおけるベストパフォーマーのひとりだろう。

 ジョーとパトリックのどちらが優れている?元ブラジル代表のストライカーのピーク時はより高いレベルにあった。しかし今シーズンのパトリックは決してジョーに劣る存在ではない。実際に両者はそれぞれ20得点を記録し、得点ランキングのトップに立っている。しかし全体的に見てサンフレッチェ広島のエースの方がより優れたシーズンを過ごしていると言えよう。もしも広島が優勝すれば、守備を優先するチームにおいて攻撃を一手に引き受けたパトリックは、リーグMVPの有力候補だ。

 ジョーは守備のタスクが比較的に少なく、攻撃的にデザインされたシステムの中でプレーしている。しかしチームは失点も多く、たびたびサポーターを失望させているのが現状だ。

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