広告料収入増加の神戸が2位に
営業収益2位となったのは、前年比で浦和を上回る増収となったヴィッセル神戸。中でも広告料収入は浦和の31億9300万円を上回る33億5200万円となっている。
この背景にはルーカス・ポドルスキの獲得のために親会社の楽天が資金を投入したことがあると思われるが、それを大きく上回る規模となったアンドレス・イニエスタの獲得により2018年度はこの数字が更に伸びるだろう。
それは人件費も同様で、2017年度の時点で既にダントツのリーグ1位である31億400万円は、いったいどこまで膨れ上がるのだろうか。
一方で2017年度の入場料収入はJ1でも下から4番目の5億1400万円だが、それでも前年比では8700万円増加している。イニエスタ効果でチケット完売が続くと思われる今季は、入場料やグッズ販売による収入も更に伸びるはずだ。
今季のJ1では現時点で5位の好位置につけており、大物外国人コンビが本領を発揮してACL出場権を得られれば、いよいよ名実ともにビッグクラブの仲間入りを果たしそうだ。
コストパフォーマンスの良さが目立つ広島と札幌
営業収益の上位にはこの2チームに続いて鹿島、川崎、G大阪、横浜FM、FC東京といったクラブが名を連ねる。
逆に下位に目を向けると、17位の札幌より9億円以上も少ない17億2700万円の甲府がダントツの18位。この経営規模を考えると、改めて昨季まで4年連続でJ1残留を達成したことが大健闘と言える成績だったことが分かる。
またJ1に昇格したこともあり前年比で7億7400万円も営業収益を伸ばした札幌は、それでも26億7600万円の17位で、人件費も下から3番目の12億600万円に留まる。
こうした数字を見ると昨季の11位、そして今季の4位という順位がいかにコストパフォーマンスに優れているかを実感させられる。
またコストパフォーマンスの高さという点では、現在J1首位を独走する広島も同様だ。営業収入は13位の34億2400万円、人件費も同じく16億200万円で、今年度も同程度だとすればリーグ下位レベルの予算で驚異的な成績を残していることになる。
DAZNと巨額の放映権契約を結び、大物外国人選手の参戦が相次ぐなど、経済的に大きな変化の時期を迎えているJリーグ。大規模な投資にはリスクも従うだけに、バランスを崩さずに成長を続けられるのか各クラブの経営状況を今後も注意深く見守りたい。
著者:マリオ・カワタ
ハンガリー生まれドイツ在住のフットボールトライブライター。Twitter:@Mario_GCC
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