代表チーム フランス代表

W杯優勝でフランス国内は祝福ムードも、死者が出る事故が複数発生

 日本時間16日に行われたロシアワールドカップ決勝戦。20年ぶり2度目の優勝を勝ち取ったフランス。国内でも大いに盛り上がりを見せ、多くの人が歓喜したのはSNSなどを通じて伝えられている。しかし英紙『テレグラフ』によると、フランス各地で警官隊と群衆が衝突する事故が起きており、中にはセレブレーションに関連する死者まで出ているという。

 パリの目抜き通り「シャンゼリゼ通り」では、試合終了からほどなくして、30人程度の目出し帽をかぶった集団が通り沿いにある「ピュブリシス・ドラッグストア」に入り、ワインとシャンパンのボトルとともに自分たちを撮影すると、警察官にボトルや椅子を投げ始めたという。これに対抗する形で、警察側は催涙ガスを発射。「こんなのは祝福ではないよ」と語るフランスのユニフォームを着たサポーターもいたと伝えている。

 さらに警察はトラブルを起こしている人物たちを退散させるために放水車を使用し、彼らを分散させた。

 リヨンでは、100人ほどの若者たちがパブリックビューイングの会場で、パトカーの上に乗り、それに対して警察官は催涙ガスを発射。若者たちは火のついたゴミ箱を投げるなど、群衆事故を巻き起こした。

 マルセイユでは2人のセキュリティスタッフが負傷し、10人の逮捕者が出た。

 フルアールでは3歳の男の子と6歳の女の子がセレブレーションの最中に、オートバイにはねられて重傷を負い、そのオートバイは逃げたと伝えられている。

 警察によると、アヌシーの南東に位置する都市では、試合終了のホイッスルとともに浅い運河に飛び込んだ50歳の男性が、首の骨を折って死亡。

 また、サン・フェリックスにある小さい街では、セレブレーションの最中に車を運転していた30代の男性が木に衝突して死亡した。

 SNSでも車をひっくり返して破壊する映像が出回っており、混乱はしばらく収束がつかないかもしれない。

 フランスでは、2015年にパリで起きたテロをきっかけに、政府が警察がより力を持てるようにする反テロ法を成立させていたため、今回のような、催涙ガスや放水車を出動させる対応に出た可能性が高い。