代表チーム ウルグアイ代表

DR.TRIBE【試合診断書】ウルグアイ対フランス W杯準々決勝

大会:ロシアワールドカップ
カード:ウルグアイ対フランス
スコア:0-2
ウルグアイ担当医:ペペ土屋( @PPDOLPHINS
フランス担当医:菊池大将(@yukkenokonoko
【分析内容】
・マン・オブ・ザ・マッチ(MOTM)
・ザ・ハード・ワーカー(THW)
・モースト・ディサポティング・プレーヤー(MDP)
・両チーム監督
・主審


ウルグアイMOTM(マン・オブ・ザ・マッチ):ディエゴ・ゴディン

キャプテンとしてチームを牽引し、堅いディフェンスを支えた。リスペクトに欠けるプレーを見せたムバッペに対して迫っていった場面では、この試合に懸けるゴディンの気持ちを感じさせた。ヒメネスとのコンビは、センターバックコンビとして大会屈指の完成度を誇った。


ウルグアイTHW(ザ・ハード・ワーカー):ルーカス・トレイラ

攻撃時にはグリーズマンのマークを受けて効果的なビルドアップができなかった。一方の守備では鋭い予測とカバーリングで味方を助け、ベンタンクールのサポートも怠らなかった。4-3-1-2は彼を活かすためのシステムだと言っても過言ではない。


ウルグアイMDP(モースト・ディサポインティング・プレーヤー):クリスティアン・ストゥアーニ

負傷したカバーニに代わって先発を務めたものの、インパクトを残すことができず、59分までのプレーにとどまった。ヘディングで絶対的な強さを見せる彼がいるうちに、もう少しクロスボールが欲しかった。


フランスMOTM(マン・オブ・ザ・マッチ):アントワーヌ・グリーズマン

中央でやりにくさを見せる場面もあったが、サイドに流れてパスを引き出しながら攻撃のスイッチを入れた。守備面での貢献度は言うまでもなく、先制点のアシストや、2点目となる無回転シュートなど決定的な仕事をやってのけた。


フランスTHW(ザ・ハード・ワーカー):ウーゴ・ロリス

見事なステップワークから超ファインセーブを披露。ウルグアイに先制点を許さず、クリーンシートを達成。この試合で先制点を許さなかったことは非常に大きい。


フランスMDP(モースト・ディサポインティング・プレーヤー):対象者なし


ウルグアイ監督:オスカル・タバレス

序盤はストゥアーニとベンタンクールを並べて4-3-2-1の守備ブロックを敷き、カンテとポグバをけん制。そこからグリーズマンが自由に動いてライン間でボールを引き出すようになると、守備のオーガナイズを変更。ベンタンクールの位置を落としてゾーン2(ミドルサード)では4-4-2、ゾーン3(ディフェンシブサード)ではベンタンクールが少し前に出る4-3-1-2の守備隊形を採った。基本的にはコンパクトネスを重視し、フランスに重要な中央のエリアでプレーさせないことを目的とし、それは達成していた。しかしポルトガル戦でもそうであったように、セットプレーで失点。グリーズマンがキック前にいれたフェイクは、明らかにウルグアイのセットプレーを分析した上で計画的に行ったものだった。結果論ではあるが、昨シーズンヘディングでゴールを量産したストゥアーニが出場している時間に、もっとクロスボールを入れたかった。カバーニの穴を埋めることができず悔しい敗退。


フランス監督:ディディエ・デシャン

4-3-3、4-2-3-1、4-4-2を織り交ぜた守備組織とウルグアイの心臓トレイラを徹底的に消しに行ったことでスアレスの孤立化に成功。攻撃ではトリッソを中央で出し入れすることでナンデスのポジショニングを曖昧にして付け入るなど、デシャンらしい狡猾なフットボールを展開。ポグバの背後にはカンテ、トリッソを置くことでリスクマネジメントを徹底。ジルーとグリーズマンの縦関係を軸に、飛び道具であるムバッペ、ポグバの持ち出しなどで違いを作りながら組織化されたウルグアイのディフェンスを徐々に崩していった。2点のリードを奪ってからはエンゾンジを投入しウルグアイを封殺。デシャンらしい堅実な選択だった。


主審:ネストル・ファビアン・ピタナ

テンションの高い試合だったが特別カードが多くなることもなく、試合をコントロール。目だったミスジャッジもなく安定して試合を裁いた。