ロシアワールドカップも開幕から10日目を迎えた。今回は英紙『テレグラフ』に寄稿されたW杯出場国のキャプテンランキングをご紹介したい。リーダーシップ、代表での実績、そしてサッカー選手としての実力を少し加味したランキングとなっている。フレドリック・クレイトン氏による辛口コメントにも注目だ。
32位:ブラジル代表
キャプテン:なし
2016年のネイマールを最後にブラジル代表は正式なチームキャプテンを任命していない。チッチ監督はW杯初戦はマルセロ、2戦目はチアゴ・シウバに任せた。
31位:チュニジア代表
キャプテン:ワフビ・ハズリ
試合の最後まで走りきれるワフビ・ハズリは代表のキャプテンに相応しいだろう。ただ世界的な知名度を得たのは最近だ。27歳という年齢を考慮してもまだまだ名をあげる可能性がある選手といえるだろう。
30位:韓国代表
キャプテン:キ・ソンヨン
今季限りでスウォンジーとの契約が切れるため、無所属の状態でロシアワールドカップに挑んでいる。彼がいなければ韓国代表は勝てないのか。スウェーデン戦を見る限りそうは思えなかった。
29位:ナイジェリア代表
キャプテン:ジョン・オビ・ミケル
チェルシーでの長い生活を終えた後もナイジェリア代表でキャプテンを務めている。ただ、クロアチア戦で彼はピッチ上に存在していたのかわからなかった。
28位:フランス代表
キャプテン:ウーゴ・ロリス
豪華絢爛のフランス代表で一見地味な男がキャプテンを務めている。きっと彼は2010年に起きたドメネクの反乱を再び起こす可能性が最も低いと見込まれて選ばれたのだろう。
27位:ドイツ代表
キャプテン:マヌエル・ノイアー
ノイアーがボールに触れる機会はほとんどない。ヨアヒム・レーブ監督はキャプテンとして彼に何を求めているのだろうか。中盤まで駆け上がりヘディングでクリアする場面があるからだろうか。
26位:デンマーク代表
キャプテン:シモン・ケアー
シモン・ケアーはおそらくいい男だろう。彼はデンマークで70試合以上に出場し、セビージャでプレーをしており、すでに2018年のロシアワールドカップで勝利に貢献している。ただ、彼には間違ったものが1つ...。なぜクリスティアン・エリクセンではないのか。ごめんねシモン・ケアー。
25位:サウジアラビア代表
キャプテン:オサマ・ハウサウィ
彼は唯一無二の『本物』のキャプテンだ。彼はかつて2010年の親善試合で当時無敵を誇ったスペイン代表と対戦。2-3で惜敗したが、先制点をあげるなど印象的な活躍を見せていた。
24位:コスタリカ代表
キャプテン:ブライアン・ルイス
ブライアン・ルイスは国際試合になると急にプレークオリティが高くなる選手の典型だ。97試合で12得点に終わったフラム時代のサポーターは、彼がまだサッカーをしているとは信じられないだろう。現在もコスタリカのサイドを牽引している。
23位:セネガル代表
キャプテン:シェイフ・クヤテ
ウェストハムで苦しいシーズンを過ごした後でも、リバプールのサディオ・マネなどスター選手をロシアで牽引している。素晴らしいサッカープレイヤーであるクヤテは、自信を持ってグループステージ突破を見据えている。
22位:クロアチア代表
キャプテン:ルカ・モドリッチ
モドリッチは華麗な選手だ。ただ、クロアチア国内からみれば少し事情が異なるかもしれない。ディナモ・ザグレブからトッテナムへ移籍した際に遺恨を残しているからだ。ただ、アルゼンチン戦での素晴らしいパフォーマンスをみれば小さなことに感じられるだろう。
21位:日本代表
キャプテン:長谷部誠
長谷部はペペ(ポルトガル代表DF)さえも落ち着かせる笑みを浮かべている。2ヶ月前、日本がハリルを解雇したとき、彼の仕事はずっと難しくなった。だが、長谷部はパニックに陥った?いえ、全く。彼は8年以上にわたって日本のキャプテンを務めている。
20位:スイス代表
キャプテン:ステファン・リヒトシュタイナー
堅守が武器のスイス代表にとって何より守備が大切だ。最高のディフェンダーであるリヒトシュタイナーがキャプテンを務めていることは理にかなっている。
19位:モロッコ代表
キャプテン:メディ・ベナティア
ポルトガル戦でのモロッコのフォーメーションは『ベナティア-ベナティア-ベナティア』だった。ピッチに他の選手がいたのだろうか?彼はポルトガル代表としてプレーしたのか?そのくらいモロッコ代表のキャプテンは素晴らしかった。
18位:ベルギー代表
キャプテン:エデン・アザール
私はバンサン・コンパニがロベルト・マルティネス監督に何をして怒らせたのかは分からないが、アザールはベルギー代表を牽引するキャプテンシーを見せている。彼にとっても幸運であり、素晴らしくサッカーを良くしている。
17位:ペルー代表
キャプテン:パオロ・ゲレーロ
ペルー代表歴代最多得点を誇る国民的英雄だ。ドーピング処分停止を受けたが多くの支援により、処分が中断された。最高のキャプテンといえるだろう。モドリッチよ、彼を見習おう。
16位:ロシア代表
キャプテン:イゴール・アキンフェエフ
18歳で代表デビューを果たした神童だ。昨年7月に行われたCL予備予選3回戦のアテネ戦で11年ぶりにCLの舞台でクリーンシートを達成した。
15位:パナマ代表
キャプテン:ロマン・トーレス
トーレスはパナマ代表を史上初のワールドカップに導くゴールを決め、全国に休暇を与えた。この(キャプテンランキング)リストの下位に加えるのは適切ではないだろう。
14位:コロンビア代表
キャプテン:ラダメル・ファルカオ
コロンビアの英雄的存在。彼は長年トップレベルでゴールを決めきたが、今でも世界最高のストライカーの一人だ。
13位:セルビア代表
キャプテン:アレクサンダル・コラロブ
私たちは何度もなんども見てきた。コラロブは力強い助走から25ヤード超えのミドルシュートをネットに突き刺す姿を。W杯初戦で信じられないゴールを決めてくれた。
12位:イラン代表
キャプテン:アシュカン・デジャガ
ドイツ代表のU16、U17、U18、U19、U20、U21でプレーし、その後イラン代表に加わった。ドイツでも通用する才能の持ち主であることは証明済みで、イラン代表の20年ぶりのワールドカップ勝利に大きく貢献している。
11位:アイスランド代表
キャプテン:アーロン・グンナルソン
ギルフィ・シグルズソンがアイスランドのスター選手だが彼はキャプテンではない。アーロン・グンナルソンこそ小国をユーロ2016の準々決勝に導き、史上初のワールドカップ出場に導いた真のキャプテンだ。
10位:スウェーデン代表
キャプテン:アンドレアス・グランクビスト
ロシアW杯の初戦でPKを獲得したスウェーデン代表。決めたのはセンターバックのグランクビストであった。14年間のキャリアの中で記録した得点は10ゴールに満たない。彼は得点が必要な試合で決めて勝利する。予選で3得点を挙げたのがその勝負強さの証左だろう。ズラタン?誰だろう。
9位:イングランド代表
キャプテン:ハリー・ケイン
ハリー・ケインは、キーラン・トリッピアーと共に偉大な男として銅像が建てられるだろう。ロシアで多くのゴールを決め、イギリスのワールドカップで優勝を目指す。今大会最年少となる24歳でキャプテンを務めている。
8位:スペイン代表
キャプテン:セルヒオ・ラモス
彼はサッカー界で最も嫌われている(と言っても過言ではないほど)悪役で、レッドカードの常習者だ。それでも、彼は全てを勝ち取っており、トップ10入りに相応しいだろう。
7位:ポーランド代表
キャプテン:ロベルト・レバンドフスキ
W杯欧州予選で得点王に輝く16ゴールを決めるなどポーランドの予選突破に大きく貢献した国民的スター選手だ。世界各国の解説者がポーランド代表の選手の中で正しく発音できるただ一人の選手といって良いだろう。
6位:オーストラリア代表
キャプテン:ミル・ジェディナク
ありがとう。オーストラリア史上5番目に重要なキャプテンといえる。どこにいても、彼に感謝しなければならない。予選2試合で2度のPKを確実に決めた頼れるキャプテンだ。
5位:ウルグアイ代表
キャプテン:ディエゴ・ゴディン
ウルグアイ代表の守備を統率する信頼に値するキャプテンだ。ルイス・スアレスがなんとかキープしている間、後ろからチームを引き締めている。
4位:メキシコ代表
キャプテン:ラファエル・マルケス
78歳の誕生日が近づいているが、彼はまだワールドカップでプレーする準備が出来ているようだ。冗談はさておき、彼はそれほど老いてはいないが、ドイツ戦で史上3人目となるワールドカップ5大会連続出場を果たした。
3位:アルゼンチン代表
キャプテン:リオネル・メッシ
オーケー、クロアチア戦の結果は無視しないようにしよう。メッシは予選通過のために全力を尽くし、エクアドル戦のハットトリックでロシアW杯出場に導いた。今のアルゼンチン代表は彼がいなかったらゴミだが、彼と一緒に過去10年間で4回主要大会の決勝に進んだ。ただ、彼は最終的に何も勝ち得ていない。彼の小さな背中にアルゼンチン国民の希望という重圧がのせられている。
2位:ポルトガル代表
キャプテン:クリスティアーノ・ロナウド
彼を愛され、憎まれている。彼は世界最高の選手であり、常に得点を奪い続けてきた。ユーロ2016では母国を優勝に導き、スペイン戦では信じられないハットトリックを達成した。今もどこかで誰かが似ていないクリスティアーノ像を作っているだろう。
1位:エジプト代表
キャプテン:エサム・エル=ハダリ
ショックだろう。私はわかる。エジプトのキャプテンは152試合に渡ってエジプト代表のすべてを見てきた。45歳にして、彼は母国を現役28年間で初めてワールドカップ出場に導いた。彼が出場すれば、ワールドカップ史上最年長の選手だ。彼は私たちのナンバーワンのキャプテンだ。彼の孫たちはとても誇りに思うべきだろう。
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