スペインサッカーを体現する生粋の右サイドバック、アルバロ・オドリオソラ

著者：ガネーシャ・アリフ・レスマナ（翻訳者：マリオ・カワタ）

　他国が優秀な右サイドバックの育成に苦戦する一方で、スペインはこのポジションの選手に非常に恵まれている。例えばブラジルではダニエウ・アウヴェスが負傷しワールドカップ欠場が決定すると、レアル・マドリードで成功できずマンチェスター・シティでも控えのダニーロの起用を余儀なくされた。他の多くのサッカー大国も同様であり、右サイドバックの質に大きなギャップを抱えている。しかしスペインにはそれは当てはまらず、エクトル・ベジェリン、セルジ・ロベルト、ダニエル・カルバハル、そしてアルバロ・オドリオソラという4人の素晴らしい右サイドバックを揃えている。ワールドカップ出場メンバー入りしたのはカルバハルとオドリオソラで、先発を務めるのはより経験豊富な前者かもしれない。しかしオドリオソラはスペインが自ら育成した右サイドバックという意味で、この4人の中で最もエキサイティングな存在だ。

　カルバハルはここ数年でマドリードで成功を収めているが、バイヤー・レバークーゼンへの移籍がなければ白い巨人での活躍はなかったかもしれない。ドイツのプレースタイルに影響を受けたフィジカルのおかげで、彼のスタイルはマドリードにうまくフィットしている。ベジェリンが名を上げたのはイングランドだ。加速力で知られる彼はイングランドのサッカーに打ってつけのサイドバックと言える。パスサッカーで知られるアーセナルでプレーしながらも、ベジェリンは攻撃力に非常に優れているわけではなく、その結果としてロシア行きのチケットを逃している。ロベルトはもともと中盤の選手であり、生粋の右サイドバックではない。

　オドリオソラは、この3人とは対称的な選手だ。彼は生粋の右サイドバックであり、アカデミー時代からレアル・ソシエダ一筋でプレーしてきたため、他国からの影響を受けることなくスペインのプレースタイルを体現している。