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Dr.TRIBE【試合診断書】特別編:ガーナ戦から見えた5つのポイント

30日に行われたキリンチャレンジカップ日本代表対ガーナ代表は2-0でガーナ代表が勝利を収めた。この試合から見えてきた、最終メンバーに選ばれる選手のヒントとW杯に向けた戦い方を5つのポイントから分析する。

3バックシステム

長谷部が中央を務めた3バックシステムはオプションなのか、それともメインなのか。そんな疑問が持ち上がる試合展開だった。3バックの中でポジティブなパフォーマンスを見せたのは吉田麻也のみ。ビルドアップの場面では両脇を務めた吉田と槙野智章がドリブルで運べる場面でも運ばなかった(できる能力があるにもかかわらず)ことを考えると、ルールとして3バックは上がらないことが決められていたのだろう。

76分に岡崎慎司と柴崎岳が投入されてから3-4-2-1から3-4-1-2にシフトし、ボールポゼッション率は上がった。守備面でも柴崎がCBとWBの間に落ちることで、長友佑都がより高い位置をキープできるようになり、攻撃のバリエーションは増えていた。

守備のルール

新たなシステムを試したこともあり、求められる守備の基本ルールも変わっていた。この試合に限っては基本的にセンターサークル付近に相手のボールが入ってから大迫が相手CMにプレッシャーをかけ始める形で、完全にゾーンブロックを敷いていた。WBは相手のサイドバックまでプレスには行かず(と言うよりも行かせてもらえず)5-4-1の形で守っていた。

短い期間でルールを浸透させるのは極めて難しい仕事であることと、テストマッチであり本番で使うような戦術は見せない(はず)ことを踏まえた上でも、ルールが明確ではなかった。少なくともこの試合では機能していたとは言えない。それは2失点目を招いた連係ミスからも見て取れるだろう。

香川真司

後半から出場してすぐに存在感を示した香川真司。問題視されていたコンディションも問題なさそうに見え、本田や長友など長年共にプレーしてきた選手たちとのいい連携も見せた。最初にプレーしたポジションは2シャドーの左。スタートポジションはそこだったが、常に中央に入っていってほとんどトップ下のように振る舞っていた。岡崎と柴崎の投入時に3-4-1-2にシフトしトップ下に。そのあと4-4-2にシフトした際は左サイドハーフにポジションをとった。

やはり彼のポジションはトップ下であり、サイドでプレーすると彼の良さは半減すると言っていい。香川の起用法は西野監督の悩みの種になりそうだ。

コンディション

本田圭佑、香川などコンディションは非常に良さそうに見えた。バヒド・ハリルホジッチ前監督時代には見られなかった溌剌(はつらつ)とした姿は、ポジティブなものだったと言っていい。しかし井手口陽介、岡崎慎司などはコンディションが上がっていないのか体の切れが悪く「試合勘」が鈍っているように見えた。

あくまでW杯本大会(特に初戦)にピークを持っていくことが重要であるが、明日発表される最終メンバーから落選する可能性さえある。

西野監督

初陣となったこの試合で新たなシステムを試した西野監督。オプションとしての使用が予想される新システムにはある一定の手ごたえはつかめたのではないだろうか。特に3バックを所属クラブで経験している3人で1試合通して戦ったことは興味深い。3バックを使用する際のメンバーはこの3人が務めることになりそうだ。
明日のメンバー発表に影響がありそうな選手起用はそれほど多くなかった。つまりすでにメンバーは頭の中である程度決まっていると、西野監督自身が述べていた通りなのだろう。

最後に、あなたの西野監督に対する評価は?

西野朗監督

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