ワールドカップ 代表チーム

最終メンバー当落線上?日本代表候補者を3つのポイントで分析:浅野拓磨編

30日に行われるキリンチャレンジカップ、ガーナ代表戦に臨む27人のメンバーが発表された。このガーナ戦を経てワールドカップに臨む23人の選手が31日に発表予定となっている。そこで、その当落線上にいそうな選手をピックアップし、最終メンバー入りを果たすかそれとも外れるのか、3つのポイントから分析していく。第5回の今日は浅野拓磨をピックアップ。

クラブでのパフォーマンス

2016年7月にアーセナルに移籍した浅野は、修行(期限付き移籍)に出たシュトゥットガルトで今シーズン終了までプレー。2016/17シーズンこそコンスタントに出場機会を得て、今シーズンの前半戦までそれをキープしていたものの、今年に入ってからは1試合も出場していない。

シュトゥットガルトで過ごした2シーズンで、リーグ戦合計41試合に出場し5ゴール4アシストという数字は、FWとして物足りない。来シーズンからハノーファーでプレーする(アーセナルからの1シーズンの期限付き移籍)ことも発表された。彼をクラブに連れてきたアーセン・ベンゲル氏が去った今、アーセナルに復帰するのは難しいだろう。

日本代表でのライバル

数少ないFW登録の選手のひとりであり、その中には大迫勇也、岡崎慎司、武藤嘉紀が含まれている。センターフォワードでの起用が濃厚な大迫を除けば、いずれもサイドとセンターをこなせる選手である。そのスピードでバヒド・ハリルホジッチ前監督時代に重宝されてきた浅野は、この中でも「飛び道具」としての能力は秀でていると言っていい。

しかし、例えば彼をサイドで起用する場合(実際にハリルホジッチ前監督はここで起用していた)は競争相手がかなり多くなり、総合的な能力で判断すると先発候補とは言い難い。

起用法

前述したとおり、基本的には右サイドを務めることになるだろう。適正としてはウィングでプレーできるシステムの方が相性がよさそうだ。彼はシュトゥットガルトに移籍してから前線におけるほとんどすべてのポジションでプレーしている。2016/17シーズンには左右のウィングとシャドーストライカーの位置を任され、今シーズンは右ウィングと同じくらいの割合でセンターフォワードとして試合に出場していた。この柔軟性は彼の武器になるだろう。

ただし、個人的にはあくまで「チェンジ・オブ・ペース」要員が相応しいと考えている。先発と言うよりも、状況打開のひとつの選択肢としてベンチに置いておくのが現実的ではないだろうか。

最終メンバー入りの可能性は?

今シーズンのパフォーマンス(15試合で1得点。今年に入ってからは出場試合0)を考えるとメンバー入りは厳しいだろう。ガーナ戦に選ばれたメンバーの中では最も落選に近い選手だと見ている。

「飛び道具」としてのメンバー入りであれば可能性はなくもないが、先発候補でありながら途中出場でもチームを助けられる選手は他にもいる。井手口陽介と似たようなシチュエーションの浅野にとって、ガーナ戦は彼の価値を示す極めて重要な最後の機会になるだろう。