
著者:マリオ・カワタ
同点を狙ってGKウルライヒも捨て身で攻撃参加した、後半アディショナルタイムのバイエルンのコーナーキック。フランクフルトのガチノビッチがこぼれ球を拾うと、無人の相手ゴールと彼の間を遮るものは何もなかった。ピッチを独走したセルビア代表MFがシュートを流し込む前にベンチからは選手やスタッフが飛び出し、そのまま歓喜の爆発するゴール裏になだれ込む。ダメ押しとなる3点目のゴールはフランクフルトにとって30年ぶりのDFBポカール優勝を決定づけるとともに、翌日の本拠地凱旋まで続く熱狂的なパーティーのこれ以上ない幕開けとなった。
圧倒的不利とみられた戦前の予想を覆しリーグ王者バイエルンを破ったこの決勝戦の一番のヒーローは、先制点と決勝点を挙げたアンテ・レビッチだ。バイエルンの新監督に就任することが決定しているニコ・コバチは、リーグ戦終盤を怪我で欠場したクロアチア代表アタッカーを左サイドで先発起用し、皮肉にも新たな雇い主となるクラブを相手に戦略家としての有能さを改めて証明して見せた。
攻撃のキーマンがレビッチなら、指揮官が守備の鍵を与えたのが長谷部誠だった。
長谷部にとっては、この試合が約1ヶ月ぶりの公式戦だった。4月21日のヘルタ・ベルリン戦でダビー・ゼルケにひじ打ちを食らわせ、リーグ戦最後の3試合で出場停止処分を受けていたからだ。11年目のブンデスリーガを不本意な形で終えた日本代表のキャプテンだったが、全幅の信頼を置くコバチ監督はバイエルンを封じるため、今季主に務めた3バックの中央ではなく中盤のアンカーとして決勝戦で長谷部を起用した。
そしてこのポジションで、長谷部は獅子奮迅の活躍を見せる。2人のセンターバックの前でリベロとしてプレーした35歳のベテランは、常に中盤とディフェンスの間のスペースをカバーしバイエルンの中央からの攻撃を封鎖。持ち前の危機察知能力の高さを発揮して、必要とあれば体を張った守備で相手に襲い掛かった。
バイエルンが53分に同点に追いつき圧力を更に強めると、長谷部は3バックの中央にポジションを落とす。世界トップクラスのタレント軍団が波のようにゴール前へ押し寄せる中、長谷部は前半よりも自陣ゴールに近いポジションから要所で相手のチャンスを摘み取っていった。
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