日本にも「県民の色」が存在するように、スペインにも「州民の色」が、おそらく日本以上に存在する。そしてそれが最も端的に表れる場が「ダービー」であると私は思う。
今回は『スペインのローカルダービーを巡る旅』と銘打って、「バスク・ダービー」を皮切りに「ガリシア・ダービー」「バレンシア・ダービー」「セビージャ・ダービー」の4つのダービーマッチをシリーズでお送りする。最終回は緑と赤がスタジアムで入り混じる、「セビージャ・ダービー」を訪れる。
フラメンコを踊る女性 写真提供:Getty Images
著者:土屋一平
情熱の地セビリア
ダービーを巡る旅最後の目的地は、スペインの最南端に位置するアンダルシア州の都市セビリア。ここの人々と同じように、少し元気すぎるほどの日差しが降り注ぎ、街には毎日多くの観光客が訪れるスペイン屈指の人気観光地だ。
「情熱の国スペイン」を地で行くようなセビリアは、フラメンコの本場としても有名だ。イスラム教徒のムーア人(ベルベル人)に起源をもつと言われているフラメンコは、その独特の手拍子と掛け声(ハレオ)に合わせた舞いで、鑑賞する人を魅了する。
そのリズムと情熱は、間違いなくこの地のサッカーにも影響を与えている。スタジアムに響く手拍子はまさにフラメンコのそれであり、サポーターたちの熱量はスペインの中でも異質だ。
中でもセビリアの街を二分する「デルビ・セビジャーノ」においては、その情熱は渦となり街中を飲み込むほどの勢いをもつ。
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