ディフェンダーとしてのグリーズマン
このスタッツの向上は、アトレティコが守備的なチームだからだと言うわけではない。システムの結果ではないのだ。グリーズマンは確実にいいディフェンダーへと進化しており、フランスもこの恩恵を受けている。コロンビアとの親善試合26分に決めた、印象的なチームワークから生まれたゴールは、グリーズマンが自陣でボールを奪たところから生まれたものだった。のちにグリーズマンへのパスを返すジブリル・シディベにパスを送り、キリアン・ムバッペにバックヒールでボールを流して、トマ・レマルのゴールを演出した。美しいゴールであり、すべてはグリーズマンのタックルから始まった。
守備面での改善が見られる上に、グリーズマンはボール奪取を楽しみ、クリーンシート達成に貢献している。「いいプレーをするよりも勝つことの方が好きなんだ。アトレティコ・マドリードが1-0で勝っている時、僕も他の選手たちと同じように守備をするよ」このようにフランスの「レキップ」に語ったグリーズマン。「アトレティコで守備することに慣れるまで6ヶ月かかったよ。でも今はそれが好きだよ。時々フランス代表でディディエ・デシャン監督に、ディフェンスへの参加をもう少し控えるように言われることがあるんだけど、自然にそうプレーしてしまうんだ。シメオネが守備を教えてくれて、それに感謝している。今は守備することが大好きなんだ!」
もちろんグリーズマンの将来は雲のように宙に浮いたままで、夏に他のクラブに移籍する可能性もある。彼を獲得するクラブは彼の攻撃能力に莫大な資金を投じることになるだろう。そしてそのクラブは、マンガの付録のように、完成したディフェンダーもボーナスとして手にするのだ。
多く語られることはないが、グリーズマンは完成されたフォワードのひとりだ。彼は敵陣での活躍と同じように、自陣でもチームを勝利に導いてくれる。彼の守備力は過小評価されているのだ。
著者:ユアン・マクティアー
スコットランド、イングランドとスペインを専門とするグラスゴー出身ジャーナリスト兼ライター。スペイン紙『マルカ』、英紙『ガーディアン』、『ユーロスポーツ』などに寄稿。著書に『Eibar The Brave』がある。
Twitter:@emctear
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