ラ・リーガ アトレティコ・マドリード

過小評価されているアントワーヌ・グリーズマンの守備力

著者:ユアン・マクティアー(翻訳者:土屋一平)

 

グリーズマンの見逃されがちな才能

 アントワーヌ・グリーズマンが世界で最も優れたアタッカーであることに疑いはない。彼はドリブルで相手をかわし、ミドルシュートが打て、ヘディングでも得点を奪える。さらにNFLのクォーターバックのようなパスを出すこともできる選手だ。しかしフランス人ができることはそれだけではない。

 2014年にレアル・ソシエダからアトレティコ・マドリードに移籍して以来、グリーズマンの守備力は向上し続けている。もちろん彼はアトレティコの主要な創造者であり、破壊者ではないため、頻繁にはその新しく身につけたスキルを披露することはない。しかしロス・ロヒブランコス(アトレティコの愛称)が誰か後ろまで下がってドアのカギを締めておく必要がある時、グリーズマンはそれを遂行する。

 ディエゴ・シメオネとの守備練習により、背番号7番のタックルは審美的にも数字的にも改善された。彼は今、完全な余裕をもってタックルを仕掛け、ヤン・オブラクの守るゴールに迫る相手選手を捕まえる術をマスターした。そしてボールを奪い取るために最も鋭い角度でスライディングする技も習得した。

 数字もこのことを後押ししている。彼のアトレティコでの最初のシーズンでは、グリーズマンのタックル成功率は28%に過ぎなかった。しかし2015/16シーズンは41%、2016/17シーズンは40%、2017/18シーズンは40%と、確実に改善を見せている。

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