Jリーグ V・ファーレン長崎

史上初の「ピース・ダービー」は広島に軍配。長崎は連勝ストップ

 28日に行われたJ1リーグ第11節、V・ファーレン長崎対サンフレッチェ広島の一戦は2-0で広島が勝利を収めた。

 Jリーグ史上初めての「ピース・ダービー」。被爆地の長崎と広島に本拠地を置くクラブ同士の対戦は、J1で長くプレーする広島が“先輩”の力を見せる展開になった。

 前半から広島がボールを保持し、長崎が攻守から速攻を狙う状況に。広島のセントラルミッドフィールダー2枚が効果的に縦パスを前線に配給し、和田拓也が高い位置をキープする右サイドを攻撃の基点に、スムーズな連携から多くのチャンスを作る。

 一方の長崎は1トップのファンマまで自陣に戻って、コンパクトな守備ブロックを形成するも、連戦の疲れからか細かいポジショニングのミスを突かれて、なかなかいい形でインターセプトできない。

 広島が試合を支配しながらも0-0のまま前半を終えると、広島は後半からティーラシンを投入し、前線に強さを加える。

 その交代が効果を発揮したのは52分、前半同様に右サイドを崩した広島は深い位置まで切り込んだ和田が低いクロスをあげる。パトリックとともに中央で待っていたティーラシンがフリーでシュートを放ち、ゴールネットを揺らした。

 先制して勢いに乗る広島は59分、左からのコーナーキックを得るとニアで佐々木翔が頭で合わせて2-0に。一気に長崎を引き離す。

 前に出ざるを得なくなった長崎は相次いで攻撃的な選手交代を行い、攻勢を強める。それに対して無理に前に出ない広島が、反対に少し低い位置でコンパクトなブロックを作り、カウンターを仕掛ける展開に。

 サイドからの仕掛けでゴールに迫った長崎だったが、最後まで広島の守備を崩し切ることができず、試合はこのまま終了。広島は首位を守り、長崎は連勝がストップした。