ラ・リーガ アトレティコ・マドリード

ガビの後継者候補ロドリ。若きミッドフィールダーの未来とは

ロドリ

ロドリ 写真提供:Getty Images

 現在彼が参加しているU-21スペイン代表のアルベルト・セラーデス監督も、その比較に同意している。「彼のキャラクターがブスケツに似ていることは正しいよ」彼は「エル・パイス」にこう語った。「私が最も気に入っている部分は、彼のサイズにもかかわらず両足で素早くプレーできること事実だ。プレッシャーのかかったゾーンから、ボールを運び出す事に関しては完璧だね。ブスケツのように、彼はポジションに対する直観を持っていて、彼は相手選手がどこにボールを運ぶのか分かっているから、ボールを奪うことができるんだ」

 クラブレベルでは、ユースチームのコーチだったハビエル・カジェハが2017/18シーズンが始まって少ししてから、監督に昇格したこともロドリの急速な成長を助けた。昨シーズンには20歳にしてすでにトップチームに昇格していたロドリだが、彼は先発メンバーではなかった上に、シーズンを通じて834分間しか出場機会を与えられなかった。今シーズン、彼は33試合を終えた時点で2778分間リーグ戦に出場している。これにはブルーノ・ソリアーノの負傷離脱も影響していたが、カジェハはヤングスターを信頼している。

 ロドリはすぐに、ディエゴ・シメオネの構成要素の一部になるだろう。アルゼンチン人は実験する必要があり、彼の好む4-4-2システムも元アトレティコユースの選手から、最大限の能力を引き出すために微調整する必要があるだろう。昨シーズン、オーソドックスな4-4-2で戦ったビジャレアルがそうしたように。現在、イエローサブマリンは4-1-2-1-2でプレーし、中盤はダイヤモンド型で、ロドリをディフェンシブ・ミッドフィールダーにすえ、彼はその役割を十分にこなしている。アトレティコでは、シメオネの「ガビ後」に向けた長期計画の中でも、彼はディフェンスラインの前でプレーするべきで、他の3人のミッドフィールダーはより攻撃的な思考の持ち主になるだろう。ロドリが後ろで“掃除”をし、ブスケツのように攻撃に転じられる自信があるからだ。それはまさに、ロドリが今シーズンやっていることであり、彼はチーム内で最もボール奪取回数が多く、その一方でパス成功数はリーグトップレベルにある。

 ロドリは正真正銘の「本物」であり、彼の契約解除金である2000万ユーロは、まるで泥棒をしたかのように思われる。契約が見直される前、彼の契約解除金がシーズン開始時に2倍だったかどうかは関係ない。アトレティコ・マドリードは今後10年間、バルセロナやイングランドやドイツのクラブが欲しがったディフェンシブ・ミッドフィールダーを確保した。ロドリ・エルナンデス。名前を覚えておこう。

著者:ユアン・マクティアー

スコットランド、イングランドとスペインを専門とするグラスゴー出身ジャーナリスト兼ライター。スペイン紙『マルカ』、英紙『ガーディアン』、『ユーロスポーツ』などに寄稿。著書に『Eibar The Brave』がある。

Twitter:@emctear

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