フィッカデンティ監督が就任してから、鳥栖は移籍市場での振る舞いを変え、積極的にチーム強化を進めてきた。もちろん失敗は起きる。何人かの“助人”選手は期待されたほどの働きを見せなかった。多くのサポーターたちは、フランコ・スブットーニやアイメン・タハール、ムスタファ・エル・カビルなどの名前を、すでに忘れてしまっているだろう。しかしイバルボに関しては、イタリア人指揮官は予想を的中させた。
海外クラブから日本に連れ戻した権田や小野は、現在チームのキーメンバーになっている。伊藤遼哉は将来獲得が期待される選手であり、最近加入した加藤恒平はブルガリアリーグでプレーしながらも、バヒド・ハリルホジッチ監督の目に留まった、興味深い側面を持っている。クラブはビッグネームも狙っており、森重真人や清武弘嗣へのアプローチがそれを示している。
クラブが受ける援助が増えていることも見逃せない。鳥栖は2017年に史上最多の観客動員数を記録した。14,194という数字は、それまでアビスパ福岡が持っていた九州のチームの最多記録を更新するものだった。2018年にホームで行われた3試合の平均入場者数は16,782であり、記録更新もあり得る。
さらに鳥栖は、J1に昇格してから7シーズン連続で残留を達成し、大分トリニータが持っている九州に本拠地を置くクラブチームの記録にも肩を並べた。鳥栖はJ1で最も多くの勝ち点を獲得した九州のクラブにもなった。今日の時点でちょうど300ポイントを獲得しており、これで大分(287)と福岡(229)を上回った。しかし大分は、いまだに九州のクラブのJ1最高位記録(4位)を有しており、九州で唯一優勝トロフィーを掲げた(2008年リーグカップ)チームでもある。
問題は、鳥栖がJリーグの有力クラブと対等に渡り合い、2017年の8位という順位を改善することができるかどうかだ。セレッソ大阪、柏レイソル、ジュビロ磐田、サンフレッチェ広島、川崎フロンターレ、そしてガンバ大阪と対戦する4月は、フィッカデンティ監督率いるチームにとって、真の力が試される時になるだろう。難しい日程だが、選手たちとクラブは注目に値するチームであることを証明するために、チャレンジする必要がある。
著者:チアゴ・ボンテンポ
1985年生まれのブラジル人ジャーナリスト。サンパウロ在住。幼少期よりスポーツとりわけサッカーを愛する。大学時代にジャーナリズムを専攻し2011年よりブラジル『Globo Esporte』で日本サッカーを担当している。ブラジルのボタフォゴ、アーセナル、そして日本代表の熱烈なサポーターである。将来の夢は日本語を流暢に扱うこと、富士山登頂、Jリーグスタジアムを巡ること。
Twitter: @GunnerTNB
コメントランキング