代表チーム スペイン代表

18戦無敗の無敵艦隊スペイン代表、強豪相手の2試合で見えた5つのポイント

スペイン代表は23日にドイツ代表と1-1で引き分け、その4日後にはアルゼンチン代表に6-1で勝利した。この2試合から見えてきた5つの重要なポイントを解説する。

18戦無敗の無敵艦隊

 スペイン代表はEURO2016決勝トーナメント1回戦イタリア代表戦に敗れ、フレン・ロペテギ新監督を招聘。すると低迷気味だった成績が一気に上昇気流に乗る。ロペテギ体制以降、12勝5分けと無敗をキープし、27日に行われたアルゼンチン代表戦の勝利で無敗記録を18に伸ばした。W杯本大会に出場する32カ国で唯一、2016年夏から敗戦がないチームとなっている。

好調フォワード陣

 今回の国際親善試合でロペテギ監督はFWにロドリゴ、ジエゴ・コスタ、イアゴ・アスパスの3選手を招集。ロドリゴがドイツ戦で1ゴール。ジエゴ・コスタがアルゼンチン戦で1ゴール。イアゴ・アスパスがアルゼンチン戦で1ゴール3アシストとそれぞれが持ち味を活かして得点を奪った。タイプが異なる3選手だけに、対戦相手によって起用法を変えるバリエーションを手にしている。

クラブよりも代表で輝くイスコ

 レアル・マドリードでは十分な出場機会を得られていないイスコだが、スペイン代表では圧倒的なパフォーマンスを見せている。スペイン紙は「監督から感じる信頼の差によってパフォーマンスが変わった」と報じているが、これはロジカルではないだろう。クラブと代表で最も異なる点は、イスコに与えられる自由度だ。クラブでは3トップ(BBC)の存在が絶対的なためプレーエリアの戦術的制約が課せられているが、代表では比較的自由度が高く与えられているように見える。イスコの武器は一瞬の意外性(相手の裏をとるプレーなど)であるため、その自由度が高ければ高いほど(周囲との連携も必要だが)活躍できるのではないだろうか。

バルセロナ中心からの脱却

EURO2008、2010年W杯のスペイン黄金期を支えたメンバーはバルセロナ所属選手が中心であった。しかし、今回の招集メンバーでバルセロナ所属選手はジェラール・ピケ、ジョルディ・アルバ、アンドレス・イニエスタの3名のみ(セルヒオ・ブスケツは負傷離脱中)。スペイン紙では様々なクラブの選手が代表において重要な役割を担うことで、戦術的な多様性が生まれたとの見方もされている。

強豪3クラブの長所を集結

ドイツ代表ヨアヒム・レーブ監督はスペイン代表について印象を聞かれると「アトレティコ・マドリードは強烈なプレッシング、レアル・マドリードはハイスピードのカウンター、バルセロナは高いポゼッションという、素晴らしい武器を活かして各クラブはプレーしている。チームのベストプレーヤーが集結した代表は、これら全ての長所が集積されたチームだ」と称している。スペインならではのフットボールスタイルの多様性が現在の強さを生んでいるのかもしれない。