環境の変化を経て輝きを取り戻したのは、宇佐美貴史も同様だ。今季アウクスブルクからブンデスリーガ2部のフォルトゥナ・デュッセルドルフに期限付き移籍したアタッカーは、特にウインターブレイク後に4試合連続ゴールを挙げるなど結果を残している。
しかしその変化は、ここ数ヶ月だけの成果ではない。
「このままじゃダメだとは(デュッセルドルフに加入して)最初の半年で思ったので。そこが生きているというのはもちろんあります。チームでいうと(原口)元気君が来てくれたことで、うちのサッカースタイルも技術的な側面が増えたので、よりボールを触ってのプレーを出しやすくなったということもありますし、色んな要素が重なって結果を残せているのかなと思います」
継続してゴールやアシストでチームに貢献している充実感を示しながらも「やってきたことが正しかったって言い切るのはまだ早いと思う」と語る宇佐美は、自身の成長について慎重な姿勢を崩さない。
「常に何か高いものを求めて、いい刺激を求めてやり続けること以外にはないと思うので。その1つとして今、代表に来れたのは誇らしく思いますけど、ただ自分のやってきたことが100%全てだったっていう考え方ではないです」
また最近のドイツでの活躍が、ワールドカップのメンバー入りを保証するものでないことも理解している。
「高いレベルで競争はありますし、それは所属クラブでも常にドイツでやっています。なかなか勝てずにいましたけど、生きるか死ぬか、自分の居場所を守れるか守れないかという競争をすること自体は慣れているかな」
苦難の時を経て、現在はヨーロッパで充実のシーズンを過ごす長友と宇佐美。ワールドカップに向けて勢いに乗る2人は、日本代表にも上昇気流をもたらせるのだろうか。
取材:河治良幸
文:マリオ・カワタ
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