イタリア共和国で行われた4日の総選挙の結果、同国で初めての黒人上院議員が誕生した。ニースのFWマリオ・バロテッリはこれを激しく非難している。同選手の怒りには原因があるのだ。7日、イタリア紙『コリエレ・デッロ・スポルト』が報じている。
トニー・イオビ氏はイタリア初の黒人上院議員だ。このことだけを聞くと何の問題もないように思える。しかし、同氏の所属政党は基本政策の一つとして反移民を掲げる『同盟』だからだ。
この政党は以前は『北部同盟』という名前で、反南部の政策も掲げていた。しかし、今回の総選挙にそなえ名前を変更したのだ。
党首であるマッテオ・サルビーニ氏は、かねてからアフリカからの移民に対しての人種差別的言動が問題になる人物だ。現在は控えているが、同氏は南部出身のイタリア人に対する暴言もくりかえしてきた。
しばしばその言動が非難にあがることが多かったバロテッリだが、以前より人種差別問題とは闘ってきた。そして、ガーナ移民の生みの両親を持ち、パレルモで生まれた同選手にとって『同盟』は憎き敵以外の何者でもない。
バロテッリは自身のインスタグラムでサルビーニ氏とイオビ氏が移る写真を公開した。写真の二人は「(移民の)侵攻をとめよう」とかいたシャツを着ている。
「俺の目に問題があるのかも知れない。そうでないのなら、多分誰もまだ彼に自分が黒人であるということを教えていないのだろう。恥をしれ」
このようにバロテッリはこの写真にコメントした。ミランファンであるサルビーニ氏は、同選手に「ピッチ上では嫌いだったが、ピッチ外ではもっと嫌いだ」とのコメントを残している。
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