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浦和のクロス28本を無効化したFC東京の守備ブロックをスタッツから分析

広範囲をカバーした米本拓司の前半のアクション。〇が成功、×が失敗を表す 写真提供:Getty Images

 今季の浦和はマルティノス、武藤雄樹の両ウイングがワイドにポジション取りし積極的に仕掛けてくるため、そこからの攻撃を抑えることが試合のキーポイントの一つとなった。太田宏介と室屋成の両サイドバックは縦への突破を十分に警戒し、抜き切った形でクロスを上げさせる場面は少なかった。マルティノスと武藤は前後半でサイドを入れ替えているが、特に立ち上がりに目立ったのがマルティノスと左サイドバック太田宏介のデュエルだ。その回数は前半だけで実に8回に上っている。また太田は後半に対峙した武藤とのデュエル5回の内4回に勝利しており、左サイドの突破を許していない。

 またサイドで数的優位を作らせないことも危険なクロスを防ぐために必要になるが、その点で守備への意識の高さを感じさせたのが、MF東慶悟だった。相手右サイドバック遠藤航がオーバーラップした際にはさぼることなく守備のサポートを行い、7回のデュエルを記録している。特にマルティノスと同サイドだった前半にはタッチライン際でのプレーが目立ち、攻撃で存在感を発揮する場面こそ少なかったものの守備のタスクを忠実にこなしていた。

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