セリエA トリノ

トリノvsユベントス「困難な状況ながら盤石内容」

 セリエA第25節トリノ対ユベントスのデルビー・デッラ・モーレ(トリノ・ダービー)はアレックス・サンドロの虎の子の一点を守り切ったユベントスが1‐0で勝利した。

 今回は試合におけるマン・オブ・ザ・マッチ(MOTM)、ザ・ハードワーカー(THW)、モースト・ディサポインティング・プレーヤー(MDP)を選出し、両チームの監督とレフェリーについての分析、評価をする。

MOTM:アレックス・サンドロ

 左サイドバックを本職とするサンドロはトリノ・ダービーでひとつ前のポジションでプレーした。デ・シルベストリの攻撃参加を抑え、この日左サイドバックで先発したクワドォー・アサモアとともに右に寄りがちだったユーべのバランスを気の利いたポジショニングで整えた。決勝点はまさに値千金だった。

THW:ダニエレ・ルガーニ

 大切なダービーマッチで先発を任された23歳のルガーニは堅実なプレーで期待に応えた。トリノのエース、アンドレア・ベロッティとのデュエルに4勝2敗でシュートを1本しか許さなかった。ロングフィードの精度はあまりよくなかったものの、キエッリーニに次ぐ71タッチはミラレム・ピアニッチよりも多い数字であり、攻撃の開始点としても後方からチームを支えた。ファウルの数も少なく全体的にソリッドなパフォーマンスを見せた。

MDP:サミ・ケディラ

 先日行われたUEFAチャンピオンズリーグのトッテナム戦で酷いプレーに終始したケディラは、よりクオリティの劣る相手にも存在感を発揮することはできなかった。34回しかボールに触らず29回のパスのうち前方へのものはたった7回のみだった。守備の局面でもこの試合で記録した10回のチャレンジのうち勝利したのは1回のみ。4回はニュートラルに終わり5回は失敗に終わった。

ユベントス監督:マッシミリアーノ・アッレグリ

 多くの怪我人を抱える中でサンドロを左サイドハーフで、インサイドハーフにはステファノ・ストゥラーロを先発で起用。さらに前半5分に負傷したゴンサロ・イグアインに替えてフェデリコ・ベルナルデスキを投入し、ドウグラス・コスタを1トップに置いた「ゼロトップ」を急遽使用せざるを得なくなった。それにもかかわらず守備組織が崩れることはなく、ベルナルデスキとドウグラス・コスタがポジショニングを頻繁に繰り返すなどして効果的な攻撃を繰り出した。試合が膠着したタイミングでパウロ・ディバラを投入し、チームに再びリズムをもたらした采配も光った。

トリノ監督:ワルテル・マッツァーリ

 多くの攻撃的なタレントを有しながら放ったシュートは6本にとどまりそのうち枠内シュートはたったの3本だけだった。ケディラとストゥラーロが低調だったにも関わらず中盤で主導権を握れなかったのは、試合開始からプレスをかけ始める位置が低かったからだろう。ネガティブ・トランジション(攻撃から守備への切り替えの局面)での意識の高さは見られたが、あまりに長い時間ユーべにボールを持たせてしまい選手たちはガス欠してしまった。同じ街のライバルを尊敬する気持ちは理解できるが、守備でも攻撃でも自らアクションを起こしもっと積極的な姿勢でプレーするべきだった。

主審:ダニエレ・オルサート

 試合を壊しかねないジャッジが一回。前半、ピアニッチに対してのクリスティアン・アンサルディのアフターチャージにはレッドカードが提示されてもおかしくなかったにもかかわらず、イエローカードすら出されなかった。しかしそのほかには目立ったミスはなく、熱狂的なダービーマッチを荒れた試合にはせずスムーズに進行した。

 今季3度目となったこの対戦。4‐0、2‐0、1‐0とスコアを縮めたトリノは着実に進歩していると言えるのではないだろうか。

名前:菊池大将
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幼少期に父親の影響でミランが好きになりました。アイドルはシェフチェンコ。パッション、データ、経済、カルチャー、サッカーの持つ様々な表情を見るのが好きです。よろしくお願い致します!

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