
アーセナルには単純にアイデンティティが欠けている。守るべきフィロソフィも目指すべき目標もなく、そうした態度は組織のトップから下へと浸透している。シティにはペップ・グアルディオラと、余るほどの才能豊かな若手がいる。チェルシーにはアントニオ・コンテと、彼のもたらす一体感がある。リバプールにはクラブの監督である意味を完璧に理解するユルゲン・クロップがおり、トッテナムには選手からベストを引き出す術を知る優れた戦術家のマウリシオ・ポチェッティーノがいる。ベンゲルがアーセナルの監督に最もふさわしいと信じる人間は、もはや彼自身も含めていないだろう。
過去の成功は美しい思い出として残しておくべきだが、どんなにベンゲルがクラブと一心同体であるように感じられても、現在ピッチ上で起きていることを抜け出すことのできる「一時的な困難」と考えるべきではない。ベンゲルは残念ながら、今後18ヶ月の間も変わることはないだろう。彼が長くとどまり続けるほど、彼の遺産はぼやけていく。
著者:Phil Costa(TifoFootball.com)
TifoFootballでライターとソーシャルメディアエディターとして活躍中。U-23若手選手を分析し才能を発掘するScouted Footballでも才能を発揮している。
Twitter ID:@_PhilCosta
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