ブンデスリーガ ボルシア・ドルトムント

明暗別れる長谷部と鎌田の“二人の侍”。ドルトムント香川との大一番で両者の差がさらに広がる【MatchSTORY】

ボルシア・ドルトムントの香川真司 写真提供:Getty Images

 しかし、フランクフルトの攻撃陣は、ペナルティエリア内でのアイデアと決定力に欠けていた。何度もチャンスをつくるが、FWアンテ・レビッチとFWセバスティアン・ハラーのシュートは枠を外れる。一方で、劣勢に見えたドルトムントは、持ち前のアイデアの豊富さと決定力が光り、シャヒンとフィリップのゴールで2点をリードした。

 ボス監督はリードを2点に広げたあと、バイグルに変えて日本代表MF香川真司を投入することでなんとかポゼッション率を高め、試合を安定させようとしたが、展開は変わらず、その後もフランクフルト優位なオープンな展開が続く。そしてついに64分、ハラーが3試合連続となるゴールをPKで決めると、68分にはMFマリウス・ボルフのゴールで同点に追いついた。

 試合終了間際にはドルトムント、マンチェスターシティから移籍してきた17歳、ジェイドン・サンチョが惜しいチャンスを幾つかつくったが、長谷部のスーパーセーブもあり、決めきれなかった。両チーム合わせて34本のシュートが放たれたスペクタクルな試合は2-2の引き分けで痛み分けとなっている。

 ドルトムントにとっては、怪我人の多さが目立った試合と言えるだろう。マルセル・シュメルツァー、ウカシュ・ピシュチェクを含め多くの怪我人がDF陣に続出し、彼らを苦しめている。攻撃陣はリーグ戦9試合で25ゴールを決め、クラブレコードを更新しただけに残念だ。怪我をしている選手たちが戻ってくるまで、出来るだけ勝ち点を落とさずに辛抱しておきたい。

 また、長谷部にとっては素晴らしい試合となった。コバチ戦術一番の理解者で、戦術的なキーマンである彼はフランクフルト守備陣をリードし、何度もドルトムントの攻撃を防いだ。一方で、香川がボス監督の絶対的な信頼を得るためには、もう少し時間が必要だろう。今季サガン鳥栖からフランクフルトに移籍した鎌田大地は、今節もベンチ外で、非常に厳しい状態が続いている。

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