プレミアリーグ アーセナル

今こそ10番ウィルシャー復活の時。“26歳の若武者”はアーセナルを救えるか【MatchSTORY】

開幕ダッシュに失敗したアーセナルだが、9月は5勝1分と無敗で乗り越え、順位も5位まで復調していた。しかし、迎えた第8節ワトフォード戦。ここまで3勝3分1敗と好調の彼らに対し、まさかの逆転負けを喫した。

 アーセナルのスタメンは、ベストメンバーとは程遠いものだった。代表ウィーク中に守備の要、ドイツ代表DFシュコドラン・ムスタフィが太ももの筋肉損傷で離脱。最大で7試合の欠場が強いられるようだ。さらに、ロシアW杯出場を逃したチリ代表FWアレクシス・サンチェスとウェールズ代表MFアーロン・ラムジーは休養のためベンチ外。MFメスト・エジルはベンチからのスタートとなった。

 ムスタフィの代わりには今季プレミアリーグ初出場のDFペア・メルテザッカーが選ばれた。その采配は的中。同選手がCKから先制点を挙げ、アーセナルが試合をリードした。だがその後、彼らの攻撃は停滞。71分にPKで同点に追いつかれると、アディショナルタイムには元マンチェスター・ユナイテッドMFトム・クレバレリーに逆転弾を浴びせられ、8試合ぶりの敗戦となった。

 さらに悪いことには、DFローラント・コシェルニーとFWダニー・ウェルベックが負傷交代した。その後の情報によれば、2人とも筋肉系の負傷とのことで、少なくとも3週間ほどの離脱となるかもしれない。ウェルベックは今季やっと長い負傷離脱から戻ってきただけに、まさに泣きっ面に蜂とはこのことだ。

 ワトフォード戦で浮き彫りになった問題点はやはり攻撃面の停滞であろう。得点はメルテザッカーのCKからの得点のみだった。後半途中からウェルベックに代わり、エジルが入ってきたことで、少しは改善され、いくつか決定的なチャンスをつくったアーセナルだったが、相手GKゴメスの活躍もあり、これを決めきれなかった。

 中盤センターを組むのはスイス代表MFグラニト・ジャカとエジプト代表MFモハメド・エルネニーだ。ジャカはトップパフォーマンスにあるとは言えず、エルネニーはそつのないプレーをこなすが、少し創造性に足りない選手と言える。逆転のシーンで棒立ちだったジャカには、ネット上でファンから批判の声が上がった。

 現在怪我から離脱中、スペイン代表MFサンティ・カソルラの復帰が待ち望まれるところだが、彼の復帰予定は2018年初めである。そこで登場するのが、昨年ボーンマスにレンタル移籍し、武者修行を積んできたクラブの生え抜き、MFジャック・ウィルシャーだ。今季アーセナルに戻ってきた彼はすでにヨーロッパリーグで出場しており、復活の片鱗を見せている。

 長年の長期離脱の影響で、まだ20歳くらいのように感じられるウィルシャーだが、今年には26歳を迎える。そろそろ完全復活し、その才能を開花させてもいい頃だろう。恐らく、ベンゲル監督は怪我を心配し、プレミアリーグに出場させることにかなり慎重になっているが、今こそウィルシャーが輝きを見せる時であることは間違いない。