昨シーズン、5年ぶりにリーガのタイトルを奪還し、さらには前人未到のチャンピオンズリーグ連覇を成し遂げたレアル・マドリード。その圧倒的な強さは今季も健在であり、UEFAスーパーカップではマンチェスター・ユナイテッドを、スーペルコパ・デ・エスパーニャでは宿敵バルセロナといった強豪を粉砕しタイトルを獲得した。
当然、この上ない状態で臨むことができるリーグ戦にも期待はかかった。就任3年目に突入するジネディーヌ・ジダン監督は昨シーズン同様、上手にローテーションを行って行く予定であった。しかし、そこには大きくて修復が困難なほころびがあった。
その“ほころび”とは紛れもなくポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドの不在である。スーペルコパ・デ・エスパーニャのファーストレグで2枚のイエローカードを提示され、退場処分になった同選手は2枚目を提示された際に審判を押したとして5試合の出場停止処分を下されてしまった。予想以上の厳しい処分に本人も憤慨し、SNSを通じて怒りを露わにした。
この“C・ロナウド不足”は実はプレシーズンにも明らかになっていた。ロシアで開催されたコンフェデレーションズカップに参加した影響により同選手を欠いていたマドリードは一勝も挙げることができずアメリカを去った(PK戦での勝利は公式には引き分け扱いとなる)。
開幕戦の対デポルティーボ・ラ・コルーニャ戦こそ3-0と快勝し、マドリードの強さを見せつける結果となったものの、第2節の対バレンシア戦と第3節の対レバンテ戦はどちらもリードを許してしまった展開から何とか追いつき、ドローに持ち込んだ。バレンシア戦ではアセンシオの見事な活躍に助けられ、レバンテに関しては今季2部から昇格したいわゆるマドリードから見て「格下」とも言える相手であり、その試合でたった1ゴールしか奪えなかったのである。
さらに追い打ちをかけるような事態が発生した。レバンテ戦でカリム・ベンゼマが負傷交代し、試合終了間際にはマルセロが一発レッドカードを提示され退場処分となった。これにより、ただでさえ選手層が薄いと言われているディフェンスが緊急事態に陥ってしまった。また、ベンゼマはというと、今夏の移籍市場で昨季大事な場面でゴールを決めてきたスペイン代表FWアルバロ・モラタをチェルシーに放出してしまったことでこれもまた深刻な状況に陥る結果となってしまった。
次節からはC・ロナウドが戻ってくるとはいえ、怪我人も含めてあまりにも深刻な事態に、ジダン監督の真価が問われるシーズンとなりそうだ。
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