紙の上でもC大阪から優れたチームである鹿島は、アウェイで戦う上でも優勢とみられていた。にもかかわらず大岩剛監督の戦略は、主導権を取ることに慣れておらず本質的に“リアクティブサッカー”をするチーム相手に、“リアクティブサッカー”で対抗することだったのだ。手を出さず、カウンターの機会を待つ。これは川崎F相手にはうまくいかなかった(第22節に3-1で敗北した)が、ここまでタイトル争いの最大のライバルであったC大阪相手には成功した。
主に称賛に値するのは曽ヶ端だ。彼は技術的には優れたキーパーからは遠い。実際、彼のポジションは多くのシーズンで問題になり、常に代わりの他の選手の名前が噂に上がっていた。しかし最近では彼に対して不平を言う理由はない。今シーズン同先発スポットを獲得しにやってきたのは、現在のAFCチャンピオンズリーグの勝者で、過去3年に渡りKリーグのベストゴールキーパーであるクォン・スンテだ。曽ヶ端は2001年以来のポジションを失ったが、あちこちでプレーする機会を得ていた。クォンが柏戦で親指脱臼をした7月以降、ようやく曽ヶ端にまた連続出場の機会が与えられた。今月38歳になったこのベテラン選手は失望していなかった。彼のパフォーマンスは明らかに、韓国人チームメイトにも劣っていない。クォンがすでに怪我から回復しているにも関わらず、大岩監督はC大阪戦で彼をスターティングメンバーに残すことを選択した。
曽ヶ端は日本のクラブの最大チームの歴史の中で、疑いなく偉大なスターの1人である。彼はすでに自身のキャリアの中で、どんな日本人選手よりも多い24タイトルを獲得してきた。鹿島の獲得した全28タイトル中、彼が存在していなかったのは4タイトルのみである。これは1998年に曽ヶ端がトップチーム昇格の形で鹿島に入団する以前のものだ。鹿島の地元出身の唯一の選手であり、彼以上に同クラブへの帰属意識や勝者のメンタリティを持った者は他にいない。もっともサポーターたちが常に強調するのは有名な巨大フラッグに書かれた「スピリット・オブ・ジーコ」であって、曽ヶ端ではない。そんなわけで、彼を私の個人的な今週のJリーグMVPプレーヤーとする。
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