[2.24 女子FリーグPO決勝 神戸 4-5 さいたま オーシャン]
女子Fリーグは24日、プレーオフファイナル第2戦目を武田テバオーシャンアリーナで開催した。初日の第1戦を7-5で勝利した神戸にアドバンテージがあるなか、再び点の取り合いとなった両チームの激突は、5-4でさいたまが勝利したが、2戦合計で上回った神戸が2年目の女子Fリーグを制している。
試合後、あと一歩で優勝をのがしたさいたまサイコロのFP秋田谷美里は、今季限りでの退任が決まっている小野直樹監督との思い出を語ってくれた。
決勝後のさいたまサイコロFP秋田谷美里選手のコメント
――今の気持ちを聞かせてください。
秋田谷 やっぱり勝負なので、今日の試合は勝ったのですが、結果、負けてしまって……。この1年、小野さんを日本一の監督にしたいと思って、みんなも日本一を獲りたいという目標にやってきたので、悔しいの一言です。でも、今日、できたこともあったので、来年に向けてリベンジしたいなと思います。
――昨日はチャンスを決められず、責任を感じながらベンチに戻っているように見えました。
秋田谷 それに関しては今日も、たくさんのチャンスがあって、そこを結局決めきれないのは自分の課題です。そこを決めきれるようになれば、チームの勝利にもなるので、責任は感じていました。そこは守備とか、走ったり、プレーで見せるしかなかったので、そこは一生懸命やったつもりです。
――負傷者が多かった中で、筏井さんというパートナーが見つかり、いろいろな幅も広がったと思うのですが、今季のサイコロはどうでしたか?
秋田谷 りーさん(筏井)が入って、すごく強い武器が入ったので、一回、「戦術筏井」っていう記事もありましたが、りーさんの良さを生かしながら、私も何回もりーさんのコンビも生まれたかなと思います。サイコロとしては、できることが増えたので、このメンバーでまたリベンジしたいなっていうのがあります。ただ、ケガをしている人が多いので、全員でリベンジしたいなと思います。
――アルコイリス神戸という土をつけるのが難しい相手に1勝1敗でした。
秋田谷 本当にこの結果が、結果だと思うのですが、アルコの選手は本当に個々の能力もすごくたかくて、しかも献身的に走ってくるチームで。ただ、昨日、今日で相手の武器もわかっているので、そこを一人でつぶすのではなく、2人でつぶしたり、3人でつぶしたり、最後に体を張ったりというのは、本当にみんなできていたと思いますし、私自身も助けられました。そこはサイコロの強みだし、これからもアルコを相手に、日本リーグのほかのチームに対しても、できることができれば、また上の順位を目指せるかなと思います。
――昨日、第1戦があって、きょう第2戦目でした。立ち上がりからアグレッシブでしたが、そこは変えようとしたところですか?
秋田谷 アルコに対してのサイコロの強みは、ピヴォにつけるところだと思います。相手が強烈なプレスをかけてくるなかで、相手にとってもイヤなプレーだと思います。簡単にピヴォにつける。それに対して2枚目が絡むのがプランにありました。実際に昨日も今日もピヴォにつけて点が取れています。チームの戦い方として、見ている方には、「サイコロ投げてるだけじゃん」「ロングボールだけじゃん」と思われるかもしれません。でも、相手に対しての戦い方でした。
――アルコイリス神戸のGKは小柄だったので、効果的でしたよね。
秋田谷 そうですね。やっぱりそこはチームでも狙っていこうと話していました。ピヴォに入れる、あとはどんどんシュートを打って、こぼれたボールを拾っていくことは意識していました。
――元男子の日本代表の難波田治選手も「ロングボールだけではなく、つなぐところが見たい」と書いていましたが。
秋田谷 やっぱりそうですか(笑)。まぁ、そうですよね。でも、つなげるところは、つないでいこうとしていましたし、勝ちにこだわりたかったので、抵抗はありませんでした。ロングボールはサイコロの武器ですし、前にキープできる筏井選手と吉川選手がいるので、そこにつけて周りが頑張ろうというのが、戦い方としては、勝つためには必要かなと思います。
――吉川選手もすごいですよね。収まるし、1タッチのシュートもすごい。
秋田谷 あそこは本当に気持ちだと思いますし、尊敬しています。
――オーバーヘッドとか、すごかったですよ。
秋田谷 あそこを思いっきりいくのって、すごいですよね。本当に尊敬します。サイコロはどうしても平均年齢が日本リーグでもたぶん一番高いと思うのですが、年齢が上の人たちもすごく献身的にやっていました。今日なんて体的にもきついと思うのですが。
――最後のほうはスプリント、かなり厳しそうでしたもんね。
秋田谷 そうですね。でも、本当に一人ひとりが頑張っての今日の結果だったと思います。だから下を向かずに、次に向けて、練習をしたいなという気持ちです。
――来週の地域チャンピオンズリーグは出られるんでしたっけ?
秋田谷 サイコロは出れません。地域チャンピオンズリーグには出られないのですが、それについても、日本リーグで戦っているクラブですから、関東でも上の順位を取らないといけません。関東リーグでも上にこだわりたいです。
――言われちゃいますよね。「あれ? 日本リーグだよね?」って。
秋田谷 そうなんです。「結局、関東では勝てないんだ」ってなってしまうと、それは意味がないというか。関東でも優勝できて、日本リーグでも上の順位を目指せるのが強いチームだと思うので、そこは関東リーグもこだわりたいです。
――プレーオフはAbemaTVで放送されたそうですが、視聴率良かったみたいですよ。
秋田谷 そうなんですね。昨日も見返したら、サイコロに対してのコメントとかもすごく多くて。遠くからでも応援してくださっている方がいらっしゃるなと実感しました。まだまだ日本女子リーグの認知度は低いので、今回、Abemaさんが放送してくれたことで、女子も面白いなと思っていただけたと思うので、見てくれる方、サポーターが増えてくれると嬉しいです。
――小野さんとのサイコロでの時間が終わってしまいましたね。
秋田谷 私はフットサルを始めてから、初めての監督が小野さんでした。小野さんが辞めると聞いて、どうしても日本一にしたいって思って、それを聞いてから、本当に頑張ってきました。でも、これから小野さんに指導してもらえないというか、まだまだ教えてほしいことがたくさんあるので、そこはちょっと悔しい気持ち、もっと教えてほしいなという気持ち。あとは結果で小野さんに返すしかないので。
――でも、GMでは残りますよね?
秋田谷 はい。一応、GMでは残るので、サポートしてもらいながら、アドバイスももらえると思うので、そこはまだまだかかわってほしいです。ただ、日本一の監督にできなくて、ごめんなさいっていう感じです。
――小野さんとの一番の思い出はなんですか?
秋田谷 小野さんとの一番の思い出!? フットサルを始めて今年で3年目ですが、初めてフットサルの練習に行った時は、体験で参加させてもらったのですが、「足の裏で触るんだよ!」って練習を止めながら、すごく親身に教えてくれたんです。フットサルを教えてくれたのが小野さんなので、本当に感謝しかないです。
――日々、いろいろなことを教わったことが、一番の思い出なんですね。
秋田谷 そうですね。あとはもう、信頼して試合にも出してくれたことも感謝しています。1年目の最初のほうは試合に出られなくて、ただベンチからも、みんなのプレーを見ていて、試合に出ている選手たちが、最後に滑らなかったりするのが、すごく悔しかったことがありました。それで泣きながら小野さんに「フットサルはスライディングをしてはいけないスポーツなんですか?」って聞いたことがあって、「いや、そんなことはない。ゴール前は滑らないといけない」っていうことを教えてくれました。そして「試合に出ている人が、それをやらないのはおかしい」という話をしました。それを小野さんもみんなに伝えてくれて、今日もみんなスライディングをしてくれましたし、ゴール前でも体を張ってくれました。
――小野さんと一緒にチームを変えていったという意識がついていったんですね。
秋田谷 そうですね。それをまた小野さんがみんなに伝えてくれたのもうれしかったです。加入1年目で、なかなかみんなに言いにくかったので。私自身、ベンチにいる選手が試合に出たい気持ちがあるのに、中にいる人が体を張らないのは、ベンチにいる人にも悔しいことです。でも、勝負にこだわっていくためには、そういうプレーがどうしても必要になってきます。それを小野さんがみんなに伝えてくれたのは、嬉しかったです。
――昨日、今日の試合を見るとハードワークをしないサイコロは信じられないですね。
秋田谷 もちろん全然、滑っていないというわけではありませんでしたが、今日も何度も滑った、体を張るし、そこはサイコロも変わったところだと思います。
――昨年、タイに行ったときに小野さんと話をしたら「秋田谷を日本代表に入れるのが俺の仕事だ」と言っていましたよ。
秋田谷 はい。小野さんが監督の間に、本当は代表に入りたいというのもあったんですけど…。でも、関東選抜にも呼んでもらったりしているので、チャンスがないわけではないと思っています。代表監督も見てくれていると思うし、りーさんと一緒に代表に入ることで、小野さんに恩返しをしたいです。
――そうなる日を楽しみに待っています。
秋田谷 はい、頑張ります。ありがとうございました。
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