
著者:マリオ・カワタ
日曜日にノエビアスタジアム神戸で行われたJ1第17節で、ヴィッセル神戸は湘南ベルマーレに0-3の完敗を喫した。スコアだけを見れば、アンドレス・イニエスタの日本デビュー戦は大きな失望の残る結果と捉えることもできる。しかしスペインのスーパースターが垣間見せた輝きは、チームの今後に期待通りの進化を予感させるものでもあった。
イニエスタがベンチスタートとなったこの試合、アウェイの湘南は立ち上がりから持ち味のアグレッシブで労をいとわないサッカーで圧力を掛け、前半の早い時間にコーナーキックの流れから先制点を挙げた。
4-4-2の布陣を敷いた神戸はセンターハーフの藤田直之が下がって最終ラインからのボールを引き受け、高いポジションを取るサイドの田中順也と大槻周平を使いながら、クロスでウェリントンと渡邉千真の2トップの高さと強さを活かすことを狙う。
しかし湘南ディフェンスは前線の4人に対し数的優位を保って自由を与えず、神戸は横幅を使って揺さぶりを掛けるものの全体的なテンポは単調なまま。相手陣内で左サイドから右の高橋峻希、大槻周平へと素早くボールを繋ぎ、クロスにウェリントンがボレーで合わせてクロスバーを直撃した後半立ち上がりに見られた流れるような攻撃は稀だった。
65%の数字が示す通り圧倒的にボール支配では上回りながら効果的な崩しは少なく、ビルドアップのミスからショートカウンターで追加点を奪われる。それはGKを含め後ろから丁寧に繋ぐサッカーは浸透しているが、ポゼッションがゴールという形に昇華されない今季の悪い時の神戸らしい展開だった。
ホームのサポーターにとってはフラストレーションの溜まる時間が流れる中、遂にイニエスタがピッチに送り出されたのは59分のことだった。渡邉千真との交代でピッチに足を踏み入れると、2万6146人の観衆からはひと際大きな声援が送られる。
ドイツの中継では実況が「イニエスタの登場でシエスタ(昼寝)がフィエスタ(祭り)に」と形容した背番号8の登場は、確かに神戸の目を覚まさせるものだった。
スペースでボールを吸い寄せるように受け、簡単に相手選手を剥がして前を向く。相手に囲まれていれば少ないタッチでボールをはたき、流れを生み出していく。そのシンプルながら機能美を感じさせる質の高さは「さすが」としか言いようがない。
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