
スコットランド1部セルティック所属の日本人選手では、日本代表FW前田大然に今冬残留の可能性が報じられる一方、2025年夏にアルビレックス新潟から加入したばかりのDF稲村隼翔には退団、Jリーグ復帰の可能性が取りざたされている。その稲村と同じく、川崎フロンターレから加入したばかりの日本代表FW山田新もわずか半年でセルティックを去るかもしれない。
英メディア『グラスゴータイムズ』は12月16日、一部のセルティック所属選手の去就を特集。トップチームでの出場機会がほとんどない稲村について、日本から入手した情報として「1試合のみ出場した後、日本へ帰国する可能性がある」「FC東京の関心の対象になっている」「川崎フロンターレも興味を示している」と報じている。
その上で「稲村に関しては、セルティックでの目先と将来の両方の見通しが限られているようだ。日本発の移籍報道が事実であれば、わずか半年で退団することになる」とした上で、「山田についても同様だ」とリポート。「彼は6試合に出場しているものの、ここ最近は招集メンバー入りに苦戦している。これは、加入以来ゴールを決めていないことが原因かもしれない」と、同選手の近況を報じている。
山田は2025年夏、川崎からセルティックへ完全移籍。加入当初はしばらく途中出場が続いていたが、UEFAヨーロッパリーグ(EL)の登録メンバーに名を連ねず、10月以降は公式戦2試合の出場。ブレンダン・ロジャーズ監督が解任された後も厳しい立場に置かれており、リーグ戦直近3試合はベンチ外となっている。
なお、山田のセルティック移籍を巡っては、現地ジャーナリストのアンドリュー・スミス氏が9月に同クラブの内部事情をリーク。「(セルティックの新戦力の中には、)ロジャーズ監督が獲得したのではなく、クラブの筆頭株主であるダーモット・デズモンド氏の独断により加わった選手がいる」とした上で、「稲村と同じく山田も、ロジャーズ監督は決して彼らの獲得を望んでいるわけではなかったが、『クラブが連れてくるなら仕方ない』という感じだ。彼らはいずれもロジャーズ監督の選手ではない。デズモンド氏とロジャーズ監督の間で意見対立が起こっていた」と伝えていた。
セルティックへの移籍は日本人選手にとって欧州での飛躍を目指す重要な挑戦である一方、監督をはじめ周囲の意向次第では、短期間で将来を左右される厳しさも併せ持つものである。稲村と山田の現状は、その現実を如実に物語っている。
出場機会の欠如は選手の成長を停滞させる要因となり、クラブと選手双方にとって最善の選択が何であるかが問われる局面に入ったと言える。欧州挑戦を成功へ導くためには、単なる移籍そのものではなく、環境適応や起用の見通しを含めた慎重な判断が今後ますます重要になるのである。
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