
Jリーグ開幕時(1993年)の10チーム、いわゆる“オリジナル10”である横浜F・マリノス(以下、横浜FM)が、2025明治安田J1リーグで最下位に沈んでいる。クラブによって試合数にばらつきはあるものの、第21節を終えた6月22日時点で3勝5分12敗、勝ち点「14」と厳しい戦いが続いている。
横浜FMは、第10節のアビスパ福岡戦から7連敗。大型連勝で巻き返しを図るべく第18節鹿島アントラーズ戦、第19節町田ゼルビア戦と連勝し、ついに逆襲が始まるかと思われたが、第20節アルビレックス新潟戦、第21節ファジアーノ岡山戦に連敗している。
そんな厳しいチーム事情に追い打ちをかけるように、ファンやサポーターを震撼させる出来事がここ1か月で7つも発生。ここでは、崖っぷちの横浜FMを襲った7つの事件を紹介する。

1.クラブワースト記録「リーグ7連敗」
DF畠中槙之輔、MF水沼宏太、DF小池裕太、DFエドゥアルド、FW西村拓真といった主力選手が相次いで流出し、戦力ダウンが危惧された中で迎えた今シーズン。開幕から4戦勝ちなしと暗雲が漂っていた。第6節のガンバ大阪戦(2-0)で初勝利を手にしたが、その後は11試合未勝利でクラブワーストの7連敗を記録してしまうなど、かつての横浜FMらしからぬ状況が続いていた。
第18節の鹿島アントラーズ戦(3-1)で2カ月ぶりの勝利を挙げ連敗をストップすると、続く第19節町田ゼルビア戦(3-0)にも勝利し、今シーズン初の連勝を達成。しかし、その後は再び2連敗と調子は上がっていない。最後まで残留を争う厳しいシーズンとなりそうだ。

2.安達亮アシスタントコーチが退任
5月26日、2022シーズンからアシスタントコーチとアカデミー育成部長を兼任していた安達亮氏の退任が発表された。横浜フリューゲルスやヴィッセル神戸、V・ファーレン長崎などで指導した実績を持つ同氏は、アシスタントコーチとして就任した初年度に横浜FMのJ1優勝に貢献した。横浜FMからの退任と共に、カターレ富山(J2)の監督就任も発表されている。
安達氏はクラブの公式HPに「このたび、横浜F・マリノスを離れカターレ富山の監督に就任することになりました。チームが苦しい状況にもかかわらず、送り出していただいた横浜F・マリノスの懐の大きさに大変感謝しています。3年半の間にクラブ内外で多くの方々にお世話になり、本当にありがとうございました」と感謝の言葉を寄せている。

3.松永成立GKコーチの電撃辞任
5月30日には、同クラブと長年の関わりがある松永成立GKコーチの辞任も発表された。日産自動車サッカー部時代の1985年から11年間にわたり選手としてプレーした後、国内複数クラブを渡り歩き、2007年からは古巣へと戻ってGKコーチを務めていた松永氏。ほとんど無名だった飯倉大樹や朴一圭らをリーグ屈指のGKにまで成長させた実績がある。
選手たちからの信頼も厚く、現在ヴィッセル神戸に所属するGKオビ・パウエル・オビンナも、国内複数クラブからオファーがあった流通経済大学在学時、横浜FM入りを決断した一因として松永コーチの存在を挙げている。
安達亮アシスタントコーチの退任に続き、GK育成に定評のあった”最後の砦”松永氏の辞任劇は、現場とフロントの意見交換が上手くいっていないことが理由とも考えられ、内部崩壊寸前とも読み取れそうだ。
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