アジア 女子サッカー

池田監督率いるタイ女子代表、日系タイ人の愛川裕美ら泰僑6選手を招集

タイ代表 サポーター 写真:Getty Images

 池田太監督率いるタイ女子代表は、AFC女子アジアカップ2026予選に向けた強化合宿に臨むメンバー35人のリストを発表した。今回の合宿メンバーには、日系のカンヤラット・アイカワ(日本名:愛川裕美、Futsal KMUTT)を含む6人の泰僑(タイに出自を持つ移民で居住国の国籍を取得していない人)選手が招集されている。アイカワは学生時代に陸上選手としても活躍し、スプリント力に秀でた選手。

 タイサッカー協会(FAT)のヌアンパン・ラムサム会長(通称:マダムパン)は、3度目のFIFA女子ワールドカップ(W杯)出場に向けて、タイにルーツを持ち海外でプレーしている選手の発掘キャンペーンを打ち出している。

 タイが泰僑選手発掘を急ぐのには、フィリピン女子代表がアメリカ系のハーフを大量補強して、前回アジア杯(2022)でベスト4に躍進し、2023年のW杯に初出場を果たしたことが背景にある。タイはこの大会のグループステージでフィリピンに敗戦。その後、決勝トーナメントの準々決勝で日本女子代表に敗れ、ベトナム女子代表と台湾女子代表とのプレーオフに回り、ここでも敗退してW杯出場を逃した。

 東南アジアでも弱小国の1つだったフィリピンが、ハーフ選手たちの加入で急成長を遂げたことに危機感を募らせたタイは、まだ見ぬ泰僑選手に可能性を見出すべく発掘キャンペーンを開始。同様の動きがタイだけではなく、インドネシアやベトナムでも見られる。

 アイカワの他に今回タイが招集した泰僑選手は、元U-16ウェールズ代表GKアンナリナ・シーサンガム(カーディフ・シティ)、MFサンジュン・マイ(シカゴ・マスタングス)、MFアイシャ・シリチャン(マリエスタード・ボイスFF)、DFマチルダ・モルテンソン(ヴァールベリ・ボイス)、元U-17アメリカ代表・元U-20フィリピン代表MFグレース・タオ(セントラルフロリダ大学)の計6人。

 タイ女子代表は4月初めに中国の重慶市で開催される国際親善大会に出場予定で、ここで泰僑選手たちの実力をテストすると見られる。同大会には、中国女子代表(FIFAランキング17位)、タイ(同47位)、ウズベキスタン女子代表(同50位)、ザンビア女子代表(同64位)が出場する。