DF宮本優太(浦和レッズから京都サンガへ期限付き移籍中)の古巣であるベルギー2部KMSKデインズが、チーム解散を公式発表。日本人投資グループによる巨額の負債もあり、所属選手全員が解雇されてフリーになったという。
シンガポールを拠点とし、小野寛幸氏が最高経営責任者(CEO)を務めるACAフットボール・パートナーズ(ACAFP)は、2022年にデインズを買収。同年5月にベルギーリーグ初の日本人監督として白石尚久氏を招へいしたほか、2023年1月には浦和から宮本を期限付き移籍により獲得。日本人オーナーのクラブとして話題を呼んでいた。
しかし2024年になって、ACAFPによる巨額負債が問題に。選手に対する給与未払いの可能性が報じられるなか、ACAFPは10月11日に欧州を拠点とする投資家への株式譲渡で合意に達したと公式発表。「2024-25シーズン開始前からクラブ運営に関して不安をもたらす報道が見られ、関係者のみなさまにはご迷惑、心労をおかけしておりました。この度、複数のオーナー候補との交渉を経て、クラブの経営安定化が期待できる投資家への株式譲渡が決定いたしました」と報告していた。
ただベルギーのサッカー事情に詳しいサシャ・タヴォリエリ氏によると、デインズは11月15日までに給与の支払いが完了しなかったことにより、チーム解散が決定。2024/25シーズンのベルギー2部リーグでは、MF安部柊斗所属の首位RWDモレンベークから勝ち点5差の6位につけているが、所属選手は22日までに同クラブとの契約を解除する予定だという。
なおベルギー国内クラブでは、2020年にスポルティング・ロケレンが新型コロナウイルス感染拡大により破産。当時同クラブに所属していたMF天野純が期限付き移籍の早期打ち切りにより横浜F・マリノスへ復帰したほか、DF小池龍太も横浜FMへ加入していた。
ベルギー国内で大きな話題になっているデインズの破産。同国内でDF町田浩樹(ユニオンSG)やGK小久保玲央ブライアン(シント=トロイデンVV)など日本人選手の活躍が目立つ中、ACAFPとしては日本・ベルギーサッカー界に汚点を残す格好となってしまった。
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