森保ジャパンが23日にFIFAワールドカップ・カタール大会グループリーグ初戦のドイツ戦を控える中、日本サッカー協会(JFA)田嶋幸三会長の人権問題に対する発言が物議を醸している。そんな中、立憲民主党所属の前衆議院議員である尾辻かな子氏が同会長を非難。賛同のコメントが寄せられる一方で「政治利用だ」という批判が沸き起こっている。
カタールW杯の開催を巡っては、カタールの法律で同性愛が禁止されていることにより、性的マイノリティに対する人権侵害が問題となっている。またワールドカップのスタジアムやトレーニング施設等の建設に携わった外国人労働者に対する給与未払いや違法労働も問題視されており、ドイツ代表OBのフィリップ・ラーム氏や国際サッカー連盟(FIFA)のゼップ・ブラッター元会長がカタールW杯開催に反発していた。
しかし田嶋幸三会長は21日、日本代表のトレーニング施設を訪問した際に「差別や人権問題については、協会としていい方向に持っていきたいと思っている。今この段階でサッカー以外のことでいろいろ話題にするのは好ましくないと思う。他の代表チームも同じスタンスであってほしい」とコメント。カタールW杯開催期間中に人権問題を議論することに難色を示したことが批判の対象となっている。
すると尾辻かな子氏は22日午前7時ごろに自身のツイッターアカウントを更新。「非常に残念な発言。日本サッカー協会会長 『今この段階でサッカー以外のことでいろいろ話題にするのは好ましくないと思う』」と綴ると、「田嶋幸三の発言は好ましくない」、「田嶋幸三は辞任すべき」といった声が上がっている。
ただ一方で尾辻かな子氏に対して「スポーツと政治は切り離して考えないといけない」、「政治家が口出しするな」、「揚げ足取りだよな」、「サッカーに左翼思想持ち込むな」、「日本代表応援できないのか」といった批判が殺到。日常的にサッカーに関する投稿を行っていないだけに、同氏の姿勢に疑問の目が向けられている。
尾辻かな子氏は奈良県生まれ、同志社大学商学部卒業の47歳。2003年に大阪府議会議員に初当選すると、2007年以降は民主党から参議院選挙全国比例区や衆議院小選挙区に立候補。2017年10月の第48回衆議院議員総選挙で大阪2区から立憲民主党公認で出馬すると、比例復活により当選。しかし昨年10月の第49回衆議院議員総選挙では、日本維新の会や自民党の候補者相手に敗れて落選していた。
また同氏は日韓議員連盟やLGBTに関する課題を考える議員連盟に所属。第48回衆議院議員総選挙で当選した議員の中で唯一の同性愛者であることを公表して話題を呼んでいた。
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