Jリーグ

【百年構想リーグ】WEST全10クラブの補強成果を徹底検証!成功と誤算の分岐点

セレッソ大阪 写真:アフロスポーツ

全クラブが8試合を消化した明治安田J1百年構想リーグ。東西10クラブずつに分かれて争われる地域リーグでは、EASTで昨季J1王者の鹿島アントラーズが開幕から好調を維持して首位を快走している。一方のWESTでは、熾烈な順位争いが繰り広げられている。

そのWESTで現在首位に立つのは、2023・2024シーズンにJ1連覇を成し遂げ、近年のJ1リーグを牽引してきたヴィッセル神戸だ。勝ち点2差で昨季躍進を遂げた京都サンガと、新監督を迎え復権を狙うガンバ大阪が追走。さらに勝ち点3差には、こちらも新監督を迎えた清水エスパルスと名古屋グランパスがつけている。

一方、この接戦の中でやや取り残された格好となっているのが、最下位に沈むアビスパ福岡だ。直近のG大阪戦ではPK戦の末に勝利し、開幕戦以来となる白星を挙げたものの、第2節からの6連敗が響き、9位との勝ち点差は6と苦しい序盤戦となっている。ここでは、WESTに所属する10クラブについて、新戦力の活躍度をA~Cの3段階で評価していく。

※3月31日時点の情報に基づく。


V・ファーレン長崎 写真:アフロスポーツ

V・ファーレン長崎:評価A

昨季のJ2最終節の結果、8年ぶりにJ1復帰を決めたV・ファーレン長崎。クラブ初のJ1挑戦となった2018シーズンは最下位に終わっており、クラブにとって苦い思い出となった。その経験から、同じ轍を踏まぬよう今冬は多くの即戦力を迎え入れて百年構想リーグに臨んでいる。

チームを牽引するのは、昨季に続きもはや代えの利かない選手となっているMFマテウス・ジェズスだが、同様に新加入選手たちの活躍も際立っている。浦和レッズから加入したFWチアゴ・サンタナは、ここまで6試合に出場し3ゴールをマーク。かつてJ1得点王にも輝いたストライカーは、長崎でも安定した数字を残せそうだ。また、同じく新加入のMFノーマン・キャンベルも2ゴールを挙げており、ここからさらにJリーグの環境とチームに適応することで、上積みも期待できる。

もちろん得点者だけでなく、守備面ではDF進藤亮佑、中盤ではMF長谷川元希といった新戦力たちが出場機会を得ており、今後チームとしての積み上げも大いに楽しみなことから、総合評価はAとした。


アビスパ福岡 写真:アフロスポーツ

アビスパ福岡:評価B

今季は開幕戦でファジアーノ岡山をPK戦の末に破り、白星スタートを飾ったアビスパ福岡。しかしその後は、PK戦での敗戦も含めて6連敗と開幕早々に長いトンネルを経験した。こうした状況を打破すべく、3月25日には名古屋グランパスよりDF宮大樹とMF椎橋慧也を獲得。即戦力2名の加入により、立て直しへの布石を打った格好だ。

冬の新戦力では、DF岡哲平やFW佐藤颯之介、MF奥野耕平といった選手たちが多くの出場機会を確保している。また、DF辻岡佑真が2ゴールを挙げるなど、決して得点力の高くないチームで存在感を放つ新加入組がいることも確かだ。

とはいえ、結果を見ればWEST最小の6ゴールにとどまり、守備ではWEST最多の16失点と課題は明確。チーム作りは依然として途上にあり、評価はBとした。


サンフレッチェ広島 写真:アフロスポーツ

サンフレッチェ広島:評価A

直近4シーズンはいずれも上位争いを繰り広げ、今大会も優勝候補に挙げられるサンフレッチェ広島。開幕3連勝と文句なしのスタートを切ったが、直近3試合はいずれも複数失点での黒星となっている。

そんな広島にとって今冬の目玉補強となったのが、昨季は湘南ベルマーレでキャプテンを務めたFW鈴木章斗だ。2024シーズンに10ゴール、昨季も9ゴール4アシストと結果を残し、満を持して広島へ加入。今季はここまで全試合に出場し、2ゴール2アシストを記録するなど、得点・チャンスメイクの両面で存在感を示している。また、2年ぶりに広島に復帰したMF松本泰志も全試合に出場し、主力に定着している。

攻撃面では新戦力の活躍もあり、WESTで2位の得点力を誇る広島。新加入組で不足があるとすれば、期限付き移籍から復帰した3名の出場機会が少ないことくらいだろう。少数精鋭の新戦力が着実に結果を残している点は高く評価できることから、評価はAとした。


ファジアーノ岡山 写真:アフロスポーツ

ファジアーノ岡山:評価B

J1初挑戦となった昨季を13位で終えたファジアーノ岡山。しかし今冬は、守護神GKスベンド・ブローダーセンが移籍し、ブレイクを果たしたMF佐藤龍之介も期限付き移籍からFC東京へ復帰するなど戦力ダウンが懸念されていた。

そうしたなかで注目されたGK陣では、新戦力のGK濵田太郎とGKレナート・モーザーがそれぞれ出場機会を得ており、特に直近5試合ではレナートが安定した守備を見せている。

一方の攻撃面では、MF山根永遠がスタメンに定着しここまで1ゴール1アシストを記録しているものの、注目のMF西川潤はいまだ出場を果たせておらず、課題であった得点力の向上には至っていないのが現状だ。守備では穴埋めに成功した一方で、攻撃面では課題解決が成されていないことから、評価はBにとどめた。


ヴィッセル神戸 写真:アフロスポーツ

ヴィッセル神戸:評価C

開幕から90分での敗戦が1試合のみと安定感抜群の戦績で、現在首位を走るヴィッセル神戸。今冬はMF乾貴士をはじめ多くの新戦力を迎えてシーズンをスタートさせている。

しかし、昨季までの主力の壁が高いことも影響してか、新加入組の活躍は極めて限定的だ。ベガルタ仙台から4年ぶりに戻ってきたMF郷家友太は8試合すべてに出場して定位置を確保しつつあるものの、その他の新戦力は出場機会が限られており、チームの好調を直接支えているとは言い難い。

ファンやサポーターからすれば、久々に帰ってきた選手の活躍に満足できる部分もあるだろうが、補強による戦力アップが図れているとは言い切れないことから、評価はCとした。

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名前:大島俊亮
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サッカーを中心に、スポーツやエンタメなど複数ジャンルを扱うライターとして活動しております。Jリーグを中心に、日本のサッカーファンが楽しめる記事執筆を心がけていきますのでよろしくお願いします。

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