
2026年4月19日、名古屋グランパスがかつて本拠地として使用していたパロマ瑞穂スタジアム(正式名称:名古屋市瑞穂公園陸上競技場)が改修を終え、新たに生まれ変わる。これにより名古屋は、豊田スタジアムと瑞穂スタジアムという2つのホームスタジアムを併用する体制へと移行する。
約4万人を収容できる豊田スタジアムを有するなかで、なぜもう一つのスタジアムが必要だったのか。ここでは、瑞穂スタジアム改修の経緯を踏まえながら、2スタジアム体制が名古屋の集客や運営にどのような変化をもたらすのかを検証する。
アジア大会が生んだ2つのスタジアム体制
瑞穂スタジアムの改修は、2026年9月から愛知・名古屋で開催されるアジア競技大会への対応が直接の契機である。大会では陸上競技のメイン会場として使用される予定であり、国際大会の開催基準を満たすため、全面的な再整備が求められた。
旧瑞穂スタジアムは長年にわたり使用されてきたが、設備の老朽化に加え、観客動線やバリアフリー対応の面でも課題を抱えていた。こうした背景もあり、部分的な改修ではなくスタジアム全体を刷新する形で建て替えが進められたのだ。
再整備では、トラックやフィールドの更新に加え、観客席や各種設備も大幅に改善。これにより瑞穂スタジアムは国際大会にも対応できる施設へと生まれ変わり、名古屋は豊田スタジアムに加えてもう一つの主要な開催拠点を持つことになった。
スタジアムの違いと集客戦略への影響
豊田スタジアムは約4万人を収容するサッカー専用スタジアムで、国内でも有数の規模を誇る。一方の瑞穂スタジアムは約3万人規模で、名古屋市内に立地している。
この約1万人の収容人数の差は、クラブの集客戦略に直接影響する要素である。豊田スタジアムは、一度に多くの観客を収容できるため、注目度の高い試合で強みを発揮する。動員が見込めるカードでは収益の最大化を図ることができ、クラブにとって重要な収入源となる。一方で、規模が大きい分、観客数が伸び悩む場合には空席が目立ちやすく、スタジアムの雰囲気に影響を与える側面もある。
これに対し、瑞穂スタジアムは約3万人規模とコンパクトで、需要に応じて観客席を埋めやすい。また、名古屋市内という立地はアクセス面での優位性があり、仕事帰りでも立ち寄りやすく、初来場でも足を運びやすいため新たなファン獲得につながる環境と言える。
この違いにより、同じホームゲームであっても、スタジアムごとに異なる集客計画が可能になる。豊田では観客数の最大化を重視し、瑞穂では来場のしやすさや新規ファン獲得を重視するという使い分けが可能だ。
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