
日本代表MF田中聡は2025年12月、サンフレッチェ広島から日本代表MF田中碧の古巣であるドイツ2部フォルトゥナ・デュッセルドルフへ完全移籍。わずか半年でステップアップ移籍する可能性が取りざたされるなか、同クラブ幹部であり、MF遠藤航(現リバプール)ら一部日本人選手と関わりのあるスヴェン・ミスリンタット氏が、田中の獲得経緯について語った。
同氏はドイツ『トランスファーマルクト』のインタビューで、田中を長期間にわたり追い続けていたことを明かしている。これによると、湘南ベルマーレ下部組織出身である逸材の動向をチェックし始めたのは約2年前。日本サッカーに精通していることもあり、Jリーグの試合を日常的に視察する中で注目していたという。なかでも決め手の一つになったのが、同選手の育成背景だった。
「聡は遠藤航と同じアカデミーで育ったんだ。しかも指導者も一緒」と、VfBシュツットガルト幹部時代に関わりのある遠藤と共通する育成環境に着目したことを説明。クラブの戦術や文化に適応できる可能性を感じたと振り返っている。
また、日本市場との関係の深さも今回の移籍を後押しした要因の一つだという。デュッセルドルフには大きな日本人コミュニティーが存在し、日本人選手にとって生活面でも適応しやすい環境が整っているという。実際、クラブには以前田中碧も所属しており、日本人選手がプレーする土壌がすでに形成されている。
ミスリンタット氏は以前から“日本人通”のスカウトとして知られる存在だ。かつてはボルシア・ドルトムント在籍時に香川真司(現セレッソ大阪)の獲得に関与。さらにVfBシュトゥットガルトの幹部時代には、現在リバプールでプレーする遠藤や、DF伊藤洋輝(現バイエルン・ミュンヘン)の獲得を成功させた実績を持つ。
欧州クラブによる日本人選手への注目が高まる中で、ミスリンタット氏は自身のネットワークが強みになっていると説明。日本サッカー協会の欧州拠点やエージェントとの関係性を背景に、情報収集や交渉を進めやすい環境があると語っている。
欧州各国が日本の才能に目を向ける現在、同氏にとって日本市場は依然として重要なスカウティング対象であるとのこと。引き続き日本人選手の獲得を狙う姿勢を覗かせている。そうした中で迎え入れた田中は、デュッセルドルフの将来を担う存在として期待を集めているが、現地メディア『ライニシェ・ポスト』は契約解除条項の存在を指摘。他クラブの今夏獲得候補リストに入った可能性を伝えている。
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