Jリーグ ベガルタ仙台

仙台サポーター団体「クラブが文化を軽視」横断幕ほぼ消滅のホーム開幕戦巡る主張で溝

ベガルタ仙台のホーム・ユアテックスタジアム仙台 写真:アフロスポーツ

 ベガルタ仙台は3月6日、ホームゲームでの横断幕掲出を巡る問題について公式声明を発表した。クラブによると、2月28日に行われたヴァンラーレ八戸戦では、通常スタジアムを彩るはずの多くの横断幕が掲出されない異例の状況となり、ファンや関係者に戸惑いを与えたとして謝罪している。

 クラブの説明によれば、今回の事象は新たに申請された2つの横断幕をクラブ側が不許可としたことが発端となり、応援の中心を担うサポーターが他の幕の掲出も見送る判断をしたことで起きたという。一方で、SNS上で広がった「クラブが横断幕や応援歌を全面禁止した」という情報については事実ではないと否定。2026年シーズンについては、これまでに許可している351件に加え、新規申請18件のうち16件を承認しており、合計367件の横断幕が掲出可能であると説明した。

 ただし、この問題の背景にはクラブとサポーター団体の間にある認識のズレが浮かび上がっている。サポーター側が公開した経緯によると、問題となった横断幕は1月の時点でデザイン段階からクラブへ事前申請されていたが、1月29日に却下されたという。サポーターは却下理由の詳細説明を求めたものの、「クラブが不適切と判断した」「総合的判断」といった回答にとどまったと主張している。

 また、サポーター団体側は「1月からの経過を踏まえると、今回の却下決定におけるプロセスに疑念を抱く対応が多数あったことも事実」とした上で、「非常に残念に感じている点」に、「八戸戦(幕無し)の風景を見た上で、今後幕を無くしLEDビジョンの設置を考える発想となった」「積み上げて作ってきたサポーター文化を軽視する姿勢」「幕の可否の判断材料が規約・基準ではなく主観に近いものであったこと」を挙げている。

 さらにクラブ側は、人物画がクラブと無関係であることや、パンクロックを背景としたデザインが好ましくないといった理由を挙げたとされる。これに対しサポーター側は、すでに承認されている横断幕にも同様の要素が多く含まれているとして、判断基準が主観的である可能性を問題視した。

 議論は試合後の話し合いにも発展。サポーター側は議事録の公開を提案したが、クラブ側は公開を控えるよう要請したという。クラブは声明の中で、サポーターとの意見交換が行われたことを認めた上で、内容についてはサポーター側から公開希望があるとしている。

 また、クラブは今回の件を受け、スタッフへの誹謗中傷がSNS上で確認されているとして強い懸念を表明。Jリーグのガイドラインに基づき、法的措置も視野に入れて対応する可能性に言及した。

 横断幕は長年にわたりスタジアム文化の象徴でもあり、特にユアテックスタジアム仙台では応援スタイルの重要な要素とされてきた。今回の問題は単なる幕の可否を超え、クラブとサポーターの関係性やスタジアム文化のあり方を巡る議論へと発展している。今後、双方の対話によってどのような解決策が示されるのか注目される。