
2026年2月から6月にかけて変則的に開催される「Jリーグ百年構想リーグ」を経て、Jリーグは2026/27シーズンから秋春制へと移行する。ヨーロッパ主要リーグと同様に年をまたいでシーズンを戦う体制となり、同時に新設された「U-21 Jリーグ」も開幕する。
これらの改革は、国際スタンダードに歩調を合わせ、日本サッカーのトップレベルを底上げすることを目的としたものだ。一方で、この大転換のなかで取り残された存在にも見えるのが大学サッカーである。育成世代を広く受け入れ、長年にわたってプロクラブへ人材を送り出してきた大学サッカーは、今後どこに向かうべきなのだろうか。
大学サッカーがシーズン移行できない事情
日本の教育制度は、4月始業・3月卒業を基本としており、これは一般企業の事業年度とも一致している。この枠組みのまま秋春制を導入すれば、シーズン途中で主力となる4年生が一斉に卒業する事態を招いてしまう。
春に卒業し、秋にJリーグが開幕するまでの半年間をどう過ごすのかという問題も避けて通れない。サッカーの都合で日本の教育年度そのものを変更するのは、現実的とは言い難い。
こうした事情を踏まえれば、大学サッカーがJリーグと足並みを揃えてシーズン移行を行わないのは、やむを得ない判断だろう。
プロ化によって変わった大学サッカーの位置づけ
日本サッカーがプロ化する以前、大学サッカー部に所属しながら日本代表として活躍する選手も珍しくなかった。しかしJリーグ創設から四半世紀以上が経過し、現在の代表選手の多くは欧州クラブ、あるいはJクラブに所属している。
日本リーグ(JSL)時代には、主要選手の育成を大学が担っていた。それがJリーグ発足以降、大学サッカーは「18歳までにプロ契約を勝ち取れなかった選手が、セカンドチャンスを求める場」へと性格を変えていった。
J2やJ3からのオファーを受けながら将来を見据えて大学進学を選ぶケースはあるものの、J1からのオファーを断って大学へ進む例は極めて稀だ。
筑波大学を経て川崎フロンターレに加入した日本代表MF三笘薫(現ブライトン・アンド・ホーブ・アルビオン)は、その数少ない例である。育成組織に在籍していた経験からトップチームの水準を肌で感じ、「プロで活躍するために何が足りないのか」を冷静に分析したうえで、大学でサッカーを研究しながら成長することを選んだ。
選手がいつ、どこで大きく伸びるかは分からない。若手選手が競技を継続できる多様な受け皿は不可欠だ。J2、J3とクラブ数は増えているものの、それでも十分とは言えない。
大学サッカーが担う役割は、今後も確実に存在する。しかし、Jリーグとのシーズン不一致に加え、U-21 Jリーグが「高校生とプロの隙間世代」の受け皿となることで、大学サッカーの相対的な地位が低下していく懸念は拭えない。
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