
明治安田Jリーグでは、クラブの昇格だけでなく、選手個人がカテゴリーを上げていく「個人昇格」も大きな見どころのひとつだ。J2やJ3で結果を残し、その評価を武器にJ1の舞台へとステップアップする過程は、各選手の努力が実を結んだ結果と言える。
2026年2月に開幕する明治安田Jリーグ百年構想リーグに向けて、J1クラブへ新たに加わる選手の中には、下のカテゴリーで確かな実績を残してきた顔ぶれが揃っている。この記事では、その中から特に注目したい5選手をピックアップし、これまでの歩みとプレースタイル、新天地で期待される役割について解説する。
MF天笠泰輝
大分トリニータ(J2)→ ジェフユナイテッド千葉(J1)
MF天笠泰輝は、大分トリニータで主力としてプレーを続けてきた選手だ。2025シーズンはリーグ戦38試合に出場し、中盤での安定したパフォーマンスが高く評価された。派手さこそないが、チームにとって欠かせない存在だったことは間違いない。
最大の特長は、攻守におけるバランス感覚の良さだ。守備ではポジショニングを崩さず、危険なエリアを埋める。一方で、ボールを持てば攻撃のリズムを整え、サイドや前線へとつなぐ。試合の流れを大きく変えるタイプではないが、安定感という点では計算の立つ存在だ。
2026年から加入したジェフユナイテッド千葉は、久々にJ1の舞台を戦うクラブとなる。昇格組にとって中盤の安定は生命線であり、天笠には冷静なボール配給でチーム全体を落ち着かせる役割が求められる。J1はプレースピードも判断の速さも一段階上がるが、その環境でどこまで持ち味を発揮できるか。堅実さを武器に、チームの主力としての活躍が期待されるシーズンになるだろう。
FWマルクス・ヴィニシウス
FC今治(J2)→ 名古屋グランパス(J1)
FWマルクス・ヴィニシウスは、FC今治で圧倒的な得点力を発揮し、チームの攻撃を支えてきた。2025シーズンはJ2リーグ2位となる17ゴールをマーク。その決定力が注目され、2026年から名古屋グランパスへの加入が決まった。
最大の強みは、ゴール前での冷静さとシュートまで持ち込むスピード感。難しい体勢からでも得点を狙える感覚と、フィジカルを生かして前線で起点を作れる点は大きな武器となるだろう。
J1では守備の強度が一段と高くDFの寄せも速いため、シュートチャンスは限られる。少ない決定機をいかに確実に仕留めるかが求められる環境だ。それでも、前線で体を張り、ゴール前に顔を出し続けることで、名古屋の攻撃の幅を広げる存在となるはずだ。J1のスピードと強度に適応できれば、チームに欠かせない得点源として期待されるだろう。
GK田中颯
徳島ヴォルティス(J2)→ FC東京(J1)
徳島ヴォルティスからFC東京に加入したGK田中颯は、J2の舞台を戦い抜いてきた守護神だ。2025シーズンは、徳島でリーグ戦全38試合に出場し、安定したセービングと守備の統率でチームを支えた。特にクロス対応や1対1の強さは目を見張るものがあり、数々のピンチを救った経験はJ1でも十分通用するだろう。
足元の技術も高く、前線からのプレスや連動した守備にも対応できる。セービングだけにとどまらず、ビルドアップやフィールドプレーヤーとの連携でも貢献できる点が大きな特長だ。ラインコントロールや守備組織への声かけも的確で、若手GKの中でも評価は高い。
2026年からはFC東京に完全移籍し、J1の舞台に挑む。シュートスピードや攻撃精度が一段階上がる環境の中で、瞬時の判断力と反応速度がより強く求められる。その中でチーム全体の守備を落ち着かせる存在になれるか。田中にとって、真価が問われるシーズンとなりそうだ。
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