
明治安田J2リーグの北海道コンサドーレ札幌は、1月12日から沖縄県金武町で一次キャンプを行っている。川井健太新監督を迎えて再始動を切った札幌は、川井監督の教え子であるMF堀米勇輝をはじめ、10年ぶりにクラブへ復帰したDF堀米悠斗など計9選手が加入。
なかでもMF堀米勇輝は、川井サッカーをチーム内に浸透させる“伝達役”として重要なタスクを担う存在であり、戦力面だけでなく戦術面においても大きな補強だったと言えるだろう。
一方で、主力選手の流出もあった。昨シーズン主将を務め、ボランチながらJ2リーグで10ゴールをマークしたMF高嶺朋樹が名古屋グランパスに期限付き移籍。さらに右サイドアタッカーのMF近藤友喜が横浜F・マリノスへ完全移籍となった。ピッチ内外で強い影響力を持っていた主将・高嶺を失ったことで、チームには少なからず動揺が走っており、今シーズンに向け不安要素のひとつとなっている。
ここでは、今季から新たにチームを牽引していく可能性が高い主将候補3選手について、過去に川井監督が任命してきた主将の特徴を踏まえつつ、筆者の視点から検証する。

愛媛、鳥栖時代の主将任命傾向
川井監督が2018年5月から約2年半にわたって指揮を執った愛媛FCでは、西田剛氏(2022年引退)が主将を務めていた。また、2022年から3シーズン率いたサガン鳥栖では、藤田直之氏(2024年現役引退)を主将に任命している。この両氏に共通するのは、いずれも在籍年数が6年以上と長く、かつ30代であった点だ。
これは、チーム内での在籍歴が長くクラブや戦術を深く理解していることに加え、ベテランとしてピッチ内外で周囲を牽引できる存在が、川井監督の主将像に当てはまることを示している。
では現在の札幌において、こうした条件に該当する選手は誰なのか。その候補となる選手をピックアップしていく。

求める主将像と札幌の現状
札幌に6年以上在籍し、30歳前後のベテランに該当するのは、GK菅野孝憲、DF福森晃斗、MF宮澤裕樹、MF青木亮太、MF荒野拓馬ら5選手。
川井監督のもとで主将経験がある西田・藤田両氏は、先に挙げた共通点に加えチームの中心選手としてコンスタントに出場していた点も特徴的だ。さらに、チームメートに対して強いリーダーシップを発揮し、大きな声でピッチ上の選手を統率しながら士気を高める存在でもあった。こうした要素も、川井監督がキャプテンに求める重要な資質だと考えられる。
上記5選手のうち、菅野は京都サンガ時代に2シーズン、宮澤は札幌で8シーズン、荒野は札幌で1シーズンの主将経験がある。ただし、菅野はGK高木駿に加え、今季新たに期限付き移籍で加入したGK田川知樹との熾烈なポジション争いが予想され、コンスタントにスタメンで出場できる可能性は高くない。
また、主将経験を持つ宮澤や荒野、経験のない福森や青木も、ピッチ上で声を張り上げてチームを統率するタイプとは言い難い。その点を踏まえると、川井監督体制においてこれらの選手が主将を務める可能性は、現時点では低そうだ。

TMでは複数人がキャプテンマークを着用
1月16日に行われた浦和レッズとのTM(トレーニングマッチ)では、DF大崎玲央、DF家泉怜依、DF西野奨太の3選手がキャプテンマークを着用。また、同月22日に行われたFC琉球OKINAWAとのTMでは、DF堀米悠斗、DF浦上仁騎、DF家泉怜依がキャプテンマークを巻いている。
川井監督が選手たちと顔を合わせてからまだ数週間しか経っていない状況を踏まえると、これらのTMでは、キャプテンとしての資質を持つ選手を見極める意図があったと考えられる。その結果、複数の選手にキャプテンマークを託した可能性は高い。
この中から、今季の主将に任命される可能性が高い3選手を紹介していく。

最有力候補は…
まず、TMで2試合にわたってキャプテンマークを着用した家泉は、主将候補の一人として考えられている可能性が高そうだ。ピッチ内では、現役時代に札幌の主将を務めた河合竜二GM(ゼネラルマネージャー)を想起させる闘争心を前面に出し、プレーや声でチームの士気を高められるタイプの選手である。
さらに、昨夏にRB大宮アルディージャから完全移籍で加入した浦上も、最終ラインからチームを牽引できるポテンシャルを備えている。移籍後は、札幌の特徴でもあるアットホームな雰囲気の中に「厳しさ」を持ち込んだ存在として映っており、声や振る舞いによってチームに一定の緊張感をもたらしてきた。コミュニケーション能力にも長けており、監督や選手と適切な距離感を保ちながらチームをまとめていく役割が期待できる。
そして、主将を務める可能性が最も高いと見られるのが、今季10年ぶりに札幌へ復帰した堀米悠斗だ。2020シーズンから6シーズン連続でアルビレックス新潟のキャプテンを務め、ピッチ内外でチームを牽引してきた実績を持つ。
なかでも印象的だったのが、2025明治安田J1リーグ第18節・湘南ベルマーレ戦(2-1)の出来事だ。シーズン未勝利のまま迎えたこの一戦を前に、堀米は選手間の意見を整理・集約し、当時の樹森大介監督に戦術変更を直訴。選手と指揮官の考えをすり合わせたことで、チームの進むべき方向性が明確となり、新潟にリーグ戦初勝利をもたらした。
新潟で培ったキャプテンシーを持つ堀米が、今度は札幌で長年課題とされてきた「厳しさ」を植え付けられるか。その振る舞いが、選手個々の意識改革につながっていく可能性は十分にある。
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