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町田ゼルビア黒田剛監督にパワハラ認定ない理由とは?Jリーグ「嫌な思いしたとしても…」

黒田剛監督 写真:Getty Images

 町田ゼルビアの黒田剛監督は選手やコーチ、スタッフに対して暴言や不適切な発言があったとして、12月23日までにJリーグからけん責の処分を科された。一部では金明輝(現アビスパ福岡監督)、曺貴裁(現京都サンガ監督)と同じく、パワーハラスメント(パワハラ)行為に及んだ可能性も指摘されるなか、Jリーグ側はパワハラを認定しなかった理由を説明している。

 Jリーグ公式サイトでは、12月28日に「裁定事案に関するメディア説明会」の議事録が公開。黒田監督を巡る問題が議題に挙がっているが、パワハラに該当する可能性に関する質問に対して、Jリーグ法務・コンプライアンス部の杉本渉部長は「パワーハラスメントの認定によるものではなく、JFA 指導者に関する規則の『指導者による暴言や不適切な指導は認められない』という規則をもって、今回の懲罰を決定しています」と回答したという。

 また、Jリーグコンプライアンス弁護士であさひ法律事務所の金山卓晴弁護士は、パワハラに該当しない理由について、以下のように説明したという。

 「一般論としましては、いわゆるパワーハラスメントが認められるための条件として、優越的な地位であること、業務上の必要かつ相当な範囲を超えているかということ、また職場でのパワーハラスメントに関しては、労働者の就業環境が害されることが要件ということになっています」

 「3つの要件をすべて満たさなければいけないということと、程度の問題があります。「(3点目の要件の就業関係が)害される」というのは、例えば行為を受けた方が嫌な思いをしたとしても、マルかバツかで言いますと、それだけでマルという判定にはなりません。やはりそこは、3つの要素を全て認められなければいけないこと、かつ、ある程度の掛け算のような関係で、一定の限度を超えなければ認められないと認識しています」

 「今回、クラブが(Jリーグが追加調査を求め)立ち上げた特別調査委員会が認めた事実に加えて、Jリーグ側で調査し認定した事実に基づきますと、そこまでの程度には至らない、そこまでの程度を超えた(言動である)という認定は難しいと判断しました」

 なお、黒田監督に対するけん責処分を巡っては、2012年から2シーズンにわたり湘南ベルマーレに在籍し、曺貴裁監督のもとでプレーしていた下村東美氏が「Jリーグ側は甘過ぎ」「もっと危機感を持つべきだ」などと批判している。

 この処分について、金山氏は「2025年4月の段階で週刊誌による報道や(クラブが最初に立ち上げた)特別調査委員会の調査結果が公開されています。そちらに書いてある事実を、そのまま我々が認定しているのか、認定していないのか、そのうちの一部しか認定していないのかは、また別の話です」と前置きした上で、「対象事実を踏まえて、少しひどいのではないか、けん責というのはどうか、とお感じになられる基礎となる事実、メディアの皆さんが想定している事実と、(特別調査委員会が最終的に認めた事実とJリーグによるヒアリングを踏まえて判断した)Jリーグ側で認定した事実には差がある可能性があるということは申し上げたいと思います」と述べたという。