
松村優太
2人目は今季で加入6シーズン目を迎えたMF松村優太だ。これまでの出場機会は必ずしも多くなく、昨シーズン途中からは東京ヴェルディへ期限付き移籍し、自身初の武者修行も経験した。鹿島に復帰して迎えた今季、スタメンでの出場は11試合に留まったものの、38試合すべてに絡みジョーカーとして存在感を発揮。3つのゴールとチームトップとなる6アシストを挙げる活躍で優勝にも大きく貢献した。
スピードを活かし敵陣深くまで突破を図るドリブルが持ち味。エリア内まで侵入するドリブルから得点のきっかけを作ることができ、ドリブル総数とクロス総数は今季チームトップの数字をマークした。また、第24節の柏レイソル戦で見せた後半アディショナルタイムのゴールや、第35節京都サンガ戦での劇的同点弾のアシストなど、途中出場からここぞという場面でゲームを動かす勝負強さも魅力として挙げられる。
途中出場が多かったとはいえ全38試合に出場したことは、指揮官からの信頼の表れとも言える。しかし、その突破力やチャンスメーカーとしての存在感は、他クラブからすればスタメンの座を用意して迎え入れたいものに違いない。両サイドに強力な個の力を持つ外国籍選手も擁する鹿島。松村は来季も彼らとのポジション争いを選ぶのか、新天地で安定した出場時間を得る道を探るのか注目が集まる。

荒木遼太郎
3人目は2020シーズンに鹿島へ加入し、翌2021シーズンには36試合と多くの出場機会を得て10得点を挙げるなどブレイクを果たしたMF荒木遼太郎だ。2024シーズンはFC東京へ期限付きで移籍し、開幕戦から2ゴールを挙げるなど主軸として活躍。最終的に29試合出場7ゴール4アシストをマークしている。昨年行われたパリ五輪の代表メンバー入りも果たし、かつての輝きを取り戻した1年を経て昨冬鹿島への復帰を果たした。
新指揮官の下で迎えた今季は開幕戦でスタメンに名を連ねたが、第2節からはベンチスタートが続いた。その後、スタメン起用される時期もあったがシーズン終盤には再びベンチスタートが増え、最終的には出場した19試合のうち先発は11試合のみとなっている。
安定した出場時間があれば期待に応えるだけの能力があることは、別チームとはいえ昨年の活躍で証明している荒木。とはいえ、強烈な個がしのぎを削る鹿島の攻撃陣を思えば、そんな荒木であっても再び出場機会を得続けるのは簡単ではない。まだ23歳と若いこともあり、他クラブから声がかかるのは避けられないだろう。果たして去就はどうなるのか、動向から目が離せない。
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