高校サッカー

【関東】第104回全国高校サッカー選手権大会の注目校と注目選手

堀越高校 写真:Yusuke Sueyoshi

堀越高校(東京都)

東京Aブロック代表として選手権に挑む堀越高校は、東京都予選で複数の選手が得点を挙げるなど、攻撃は一人に依存せず、全体でゴールに向かう戦い方が機能していた。

守備面では、最終ラインを中心にカバーリングや組織的守備の意識が高く、予選を通じて安定した守備を披露。全国大会でも、その粘りと集中力がどこまで通用するかが注目される。攻撃では、得点源が分散しており相手が守備の的を絞りにくい利点があり、組織的な攻撃に加え、一発の縦パスやサイド展開など多様な崩しも含めれば、さらに攻撃力を増す可能性がある。

注目選手は、2024年の選手権で大会得点王に輝いたFW三鴨奏太だ。相手に警戒される中でも得点を奪い切る決定力は全国レベルで証明済み。堀越の組織的な攻撃において重要なアクセントとなる。得点が全体に分散しやすいスタイルの中でも、三鴨の勝負強さは大きな得点源となるだろう。

全国の舞台では、これまで磨き上げてきた組織的な戦い方に加え、前線の決定力がどこまで相手を脅かせるかが鍵となる。短期決戦に強い堀越のスタイルは、全国でも十分に通用するだろう。


前橋育英高校 写真:Getty Images

前橋育英高校(群馬県)

前橋育英高校は、全国屈指の強豪校として5年連続の選手権出場を果たした。安定した強さの背景には、堅実な守備組織を軸に、試合の流れを読む力や攻守の切り替えの速さを高いレベルで備えていることが挙げられる。大舞台での勝負勘にも優れ、これまでも僅差の試合を確実にものにしてきた。

注目選手は、3年生のMF柴野快仁。2024年の選手権では、決勝で流れを変える同点ゴールを決め、PK戦でも冷静にキックを沈めるなど勝負強さを発揮。最後まで集中力を切らさず、大舞台でも自分のプレーを出し切れるメンタルの強さも評価されている。中盤でゲームをコントロールしながら、ゴール前でも決定的な仕事ができる万能型MFであり、来季からFC今治への加入が内定している。

前回大会を制した第103回王者として、前橋育英は今大会でも優勝候補の一角に数えられる。積み重ねてきた組織力と勝負強さを武器に、連覇を狙って全国に挑む。


全国高校サッカー選手権大会 写真:Getty Images

地域全体の展望と傾向

関東地域の代表校は、戦術理解度と個の能力が総じて高い水準にあると言われている。首都圏を中心に強豪校が多く、年間を通してハイレベルな試合を経験できることが、短期決戦でも安定したパフォーマンスを発揮できる理由だ。攻撃ではスピードと判断力を生かした仕掛けが多く、守備では組織的なスライドや切り替えの速さが際立つ。

また、多くのチームが全国大会の経験者を擁しており、過去の戦いから学んだ実戦的な対応力も大きな強みとなる。初戦から高い強度で試合に入れるかが重要だが、関東勢はその点で優位に立つだろう。短期決戦の舞台で、各代表校がどこまで勝ち上がるか注目が集まる。

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名前:Nao
趣味:サッカー観戦、お酒、子供が所属するサッカークラブの応援
2023年からライターとしての活動を始めました。プライベートでは3人の男児の父親、個人ブログ「FootballAnalysis」を運営しています。サッカーがある日常、特に試合がある日の街の風景やスタジアム周辺の雰囲気が大好きです。多くの人にサッカーの楽しさを知って頂ける記事を書いていきたいと思います。よろしくお願いします!

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