Jリーグ

J1全クラブ監督通信簿&続投可能性【2025シーズン総括】

曹貴裁監督 写真:Getty Images

京都サンガ:曹貴裁監督

評価:★★★★☆/続投可能性:90%

悲願のJ1リーグ初制覇には届かなかったものの、一時は首位に立ち、V戦線を大いに盛り上げた曹監督率いる京都。湘南監督時代(2012-2019)に築き上げたアグレッシブな堅守速攻スタイルを京都でも根付かせ、エースFWラファエル・エリアスの決定力を引き出した。

続投すれば来季で6シーズン目となり、クラブ最長記録を更新する見込み。サポーターからの支持も厚く、2002シーズンの天皇杯以来となるタイトル奪取も現実味を帯びてくるだろう。


ダニエル・ポヤトス監督 写真:Getty Images

ガンバ大阪:ダニエル・ポヤトス監督

評価:★★☆☆☆/続投可能性:0%

10月25日に退任が発表されたスペイン人指揮官ダニエル・ポヤトス監督。母国のレアル・マドリードU-19やギリシャのパナシナイコスで指揮を執った後、2021年に来日。徳島ヴォルティスで2シーズン指揮を執り、2023シーズンにG大阪の監督に就任した。初年度は16位に終わったものの、2024シーズンには4位に躍進した。

2025シーズンはタイトル獲得が期待されたが、リーグ戦では優勝争いに加われず中位に留まり、天皇杯とルヴァン杯もともに3回戦敗退と中途半端な結果に終わった。リーグ戦終了後もACL2の東方戦(11月27日/旺角スタジアム)、ラーチャブリー戦(12月11日/吹田サッカースタジアム)が残る中での退任発表で、次期監督人事に注目が集まっている。


アーサー・パパス監督 写真:Getty Images

セレッソ大阪:アーサー・パパス監督

評価:★★★☆☆/続投可能性:100%

2025シーズンから就任したオーストラリア人のアーサー・パパス監督。一部スポーツ紙では、1年半の契約延長が内定したと報じられている。母国オーストラリアのみならず、インドやサウジアラビアでも指揮を執り、横浜FM(2019-2020)ではコーチを務め、2021シーズンにはJ3鹿児島ユナイテッドの監督も務めたが、家庭の事情でわずか2か月で帰国している。スポーツ紙記者のX投稿によれば、C大阪には代理人を通じて自ら売り込みをかけたという。

2025シーズン開幕戦の大阪ダービーではG大阪を敵地で撃破し、サポーターの心を掴んだが、その後は勝ち星から遠ざかり、一時は降格圏に沈んだ。夏には生え抜きMF北野颯太の欧州移籍もあったが、チームは何とか持ち直し中位に。連勝と連敗を繰り返すなど安定性には欠けるものの、若手とベテラン、外国籍選手をうまく融合させ、58得点はリーグトップクラス。失点癖が課題ではあるが、補強次第では来季以降、台風の目となる可能性を秘めている。


吉田孝行監督 写真:Getty Images

ヴィッセル神戸:吉田孝行監督

評価:★★★★☆/続投可能性:90%

3度目の途中就任(2017-2018、2019、2022-)を経験した吉田孝行監督。“お助けマン”のイメージが先行しているが、2023、2024シーズンとJ1を連覇し、2025シーズンも3連覇まであと一歩に迫り、天皇杯では準優勝に導いた手腕は高く評価されるべきだ。ACLエリートでは第4節終了時点でグループA首位に立っている。

FW大迫勇也とFW武藤嘉紀が長期離脱することもあったが、【4-1-2-3】のフォーメーションを熟成させ、一時期のような外国籍選手の個人技頼みのサッカーから脱却に成功。3度目の監督就任以降、今季は初めて無冠に終わったものの、サポーターからの支持は厚く、J1リーグだけでなくアジア制覇も夢ではない。


木山隆之監督 写真:Getty Images

ファジアーノ岡山:木山隆之監督

評価:★★★★☆/続投可能性:90%

昇格プレーオフを勝ち抜き、J1初昇格初年度のシーズンで残留を決めた岡山。4月20日の第11節鹿島戦(1-2)で敗れるまで、ホームのJFE晴れの国スタジアムでは4勝2分けと無敗を維持しており、これも追い風となった。

FC東京から育成型期限付き移籍で加入したMF佐藤龍之介の大ブレークもあり、所属選手の名前だけを見れば、他クラブのサポーターは「このメンバーでよく残留できたな」と驚いたはずだ。ひとえに木山隆之監督の手腕は賞賛に値し、来季もホームゲームのチケットは争奪戦必至だろう。ただし、佐藤のレンタルバックは既定路線であり、秋春制初年度となる2025/26シーズンのJ1残留に向け、今から補強を進めていく必要がある。


ミヒャエル・スキッベ監督 写真:Getty Images
ミヒャエル・スキッベ監督 写真:Getty Images

サンフレッチェ広島:ミヒャエル・スキッベ監督

評価:★★★★☆/続投可能性:0%

戦術家のドイツ人指揮官、ミヒャエル・スキッベ監督の下、広島は2025シーズン、2度目のルヴァン杯制覇を成し遂げた。新スタジアム効果も多少あったとはいえ、シーズンを通して優勝争いに加わり、リーグ戦を大いに盛り上げた。

サポーターからの支持も絶大だったが、地元・中国新聞によると「互いに4年を区切りとする」とし、今季限りで退任するという。国内外で争奪戦は必至だが、フロントはこれから後任監督探しという重要なミッションを担うことになる。


金明輝監督 写真:Getty Images

アビスパ福岡:金明輝監督

評価:★★★★☆/続投可能性:100%

11月21日に契約更新が発表された金明輝監督。昨オフ、サガン鳥栖監督時代のパワハラのイメージが残っていたため、新監督就任時には反対の声が上がり、スポンサー撤退という事態にまで発展した。2025シーズンは開幕3連敗を喫し、短期政権に終わるのではと予感したサポーターも多かったはずだ。しかし第4節から第10節まで6勝1分けのV字回復を見せ、クラブ史上初の首位に立った。

最終的には10月26日、第35節湘南戦(ベスト電器スタジアム/1-0)の勝利により、残り3試合を残してJ1残留を確定させた福岡。来季はクラブ最長記録となる6シーズン目のJ1を戦うことになる。

一方で、今季の残留劇を「長谷部前監督が残した財産を食い潰しただけ」と見る向きがあるのも事実だ。金監督が周囲を納得させるには、降格の無い百年構想リーグ、そして2026/27シーズンでの結果が必須。その暁には、離れかけていたファンやサポーターだけでなく、撤退したスポンサーも戻ってくるのではないだろうか。

ページ 3 / 3

名前:寺島武志

趣味:サッカー観戦(Jリーグ、欧州5大リーグ、欧州CL・EL)、映画鑑賞、ドラマ考察、野球観戦(巨人ファン、高校野球、東京六大学野球)、サッカー観戦を伴う旅行、スポーツバー巡り、競馬
好きなチーム:Jリーグでは清水エスパルス、福島ユナイテッドFC、欧州では「銀河系軍団(ロス・ガラクティコス)」と呼ばれた2000-06頃のレアルマドリード、当時37歳のカルロ・アンチェロッティを新監督に迎え、エンリコ・キエーザ、エルナン・クレスポ、リリアン・テュラム、ジャンフランコ・ゾラ、ファビオ・カンナヴァーロ、ジャンルイジ・ブッフォンらを擁した1996-97のパルマ

新卒で、UFO・宇宙人・ネッシー・カッパが1面を飾る某スポーツ新聞社に入社し、約24年在籍。その間、池袋コミュニティ・カレッジ主催の「後藤健生のサッカーライター養成講座」を受講。独立後は、映画・ドラマのレビューサイトなど、数社で執筆。
1993年のクラブ創設時からの清水エスパルスサポーター。1995年2月、サンプドリアvsユベントスを生観戦し、欧州サッカーにもハマる。以降、毎年渡欧し、訪れたスタジアムは50以上。ワールドカップは1998年フランス大会、2002年日韓大会、2018年ロシア大会、2022年カタール大会を現地観戦。2018年、2022年は日本代表のラウンド16敗退を見届け、未だ日本代表がワールドカップで勝った試合をこの目で見たこと無し。
“サッカーは究極のエンタメ”を信条に、清濁併せ吞む気概も持ちつつ、読者の皆様の関心に応える記事をお届けしていきたいと考えております。

筆者記事一覧